古典の中医学書「黄帝内経」や「神農本草経」には、「四字成語」の表記があり、季節ごとの特徴や身体の変化や治療法などの言葉が多くあります。現在でも日常的な知恵として使われており、薬膳の基本となる処方も含まれています。今回よりそれらを取り上げ、四字成語をワンポイントで解説することに致しました。四字成語を日々の食養生に活かしていきましょう。

“酸甘化陰”とは、酸味と甘味を一緒に摂ることで身体の陰液(血、水)が補われて、潤いが保持しやすくなり、陰(=潤う力)を補います。五味の性質を利用した薬膳の知恵です。
秋は、乾燥対策をしながら「肺」を労わりたい季節。特に陰虚体質な方は身体の潤いが不足し、乾燥によるトラブルが起こりやすくなります。収斂の作用がある酸味と身体に潤いを与える甘味を組み合わせることもメニュー作りのポイントです。例えば“ハチミツレモン”も良いメニューになりますね。秋の薬膳は“酸甘化陰”なメニューで秋の温燥や涼燥を防ぎ、潤いを保つことです。

「陰平陽秘」とは陰気と陽気の平衡がとれた状態をいい、陰陽の調和が「正気」を安定させ、正気が安定していれば「邪」の侵入を防ぐことができる。これが中医学の基本的価値観です。
中医学では体内の陰陽がバランスを保っていれば健康であり、陰陽のどちらかに傾きすぎてしまうと不調が生じ、病気を引き起こす原因になると考えています。したがって、足りないところは補い、過剰なところは減らして、調和を保つことが養生となります。
ここ数年、感染症が世界的に続いています。一年を通して健康を保ち、日々免疫力を高めるために、心身の陰平陽秘を保ちましょう。

身土不二とは、人間の体と暮らす土地は一体であり、その土地のものを食べ生活するのが身体によいという意味です。例えば、路地ものの夏野菜には、小暑の頃は清熱や燥湿の効果ある胡瓜・レタス・枝豆・とうもろこしなどが採れ、大暑の頃は清熱や解暑、生津の効果のあるトマト・スイカ・冬瓜などが採れ、季節にぴったりな食薬となります。地域でつくられた旬の農産物、畜産物、水産物や、その土地ゆかりの伝統野菜、地域の特産品、伝統食を選ぶ事が肝要です。身土不二な食事は身体に良いだけでなく、地場産物の消費を増やし産業を応援することになり、さらには自給率のアップにも繋がります。フードロスやフードマイレージも減らすことができるエコな薬膳となります。

掲載履歴  
2022年 2021年
天人合一(てんじんごういつ) 脾主後天(ひしゅこうてん)
陰少陽長(いんしょうようちょう) 冬病夏治(とうびょうかじ)
未病先防(みびょうせんぼう) 陽減陰長(ようげんいんちょう)
扶正袪邪(ふせいきょじゃ) 四気調神(しきちょうしん)
陽気旺盛(ようきおうせい) 全面膳食(ぜんめんぜんしょく)
衣類補類(いるいほるい) 陰気旺盛(いんきおうせい)
  百病之長(ひゃくびょうのちょう)
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