人はそれぞれに異なる「体質」を持っており、その「体質」により、健康状態や寿命が影響を受けることになります。
良好な「体質」とは、元気で病気にもなりにくく、気力が充実、顔色が良く、毛髪にもツヤがあり、睡眠・運動神経・食欲・排便・排尿が良好な状態をいいます。
良好でない「体質」は下記のように、大きく8つに分類され、薬膳処方を作る際には、それぞれの体質をよく理解し、食生活の原則を掌握したうえで、 個人差 ・ 生活環境などの具体的な状況によって臨機応変に運用していく必要があります。
            

良好でない「体質」は、その特徴により8つに分類されます。バランスを失っている状態なので、病気にかかりやすくなっています。ご自分の体質を理解し、正しい食事をもって改善していきましょう。



症  状
気の機能が弱まった状態のことです。気とは臓腑の働きを指します。気が消耗しすぎたり、気の生成が不足したり、あるいは気を作り出す臓腑の機能が失調したりして起こります。臓腑機能が低下して身体に虚弱の症状が現れる。よくある気虚証には心気虚・肺気虚・脾気虚・腎気虚などがある。
薬膳処方
気虚証を改善するには、まず心気虚・肺気虚・脾気虚・腎気虚など、帰経に従って、それぞれの経
に入るものを先に選ぶようにします。その経に帰するものがなければ、補気類の食材と中薬を使います。ただし補気類を使いすぎるともたれることがあるので、理気類のものを少し組み合わせると良いでしょう。

症  状
血液の滋養作用の低下によって現れ、臓腑組織に営養が足りなくなる証候です。血は心・肝と密接な関係をもち、血の営養をもらって肝・足・掌・指がそれぞれの働きを行うことができます。よって血虚になると、血量が不足し、また血質も悪くなるので、心・肝・足・掌・指に影響を与えます。
薬膳処方
血虚証の薬膳処方を立てるときには、まず養血作用のある食材・中薬を選ぶべきです。それから心血虚か肝血虚かの弁証に従って帰経を考えます。血の生成と流れには気の働きが必要なので、補気
作用のあるものも合せて使うようにします。性味は、温性と平性のもの、甘味・酸味・鹹味のものが良いでしょう。 ▲TOP

症  状
体内の陽気が損傷し、温煦・推動・防衛・気化などの作用が低下した虚寒証です。陽に密接に関連している臓腑は心・脾・腎であり、これらの臓に陽虚証がよくみられます。陽虚は気虚から発展したものでもあるので、陽虚になると臓腑の機能が気虚からさらに衰退し、寒冷の症候群が現れます。
虚寒証であるために寒邪を受けやすく、陰陽互換によって陰虚に発展することもあります。よくある陽虚証には、心陽虚・脾陽虚・腎陽虚などがあります。
薬膳処方
陽虚証に対しては、補陽作用のある食材と中薬を使います。同じ補陽類でも植物性のものより動物性のものの方が陽を補う力が強くなります。帰経に従って、心陽虚・脾陽虚・腎陽虚に合うものを先に選ぶようにし、温裏類のものを少し組み合わせると良いでしょう。 ▲TOP

症  状
臓腑の機能が低下し、津液・精・血などの陰液が足りなくなる証候です。そのため体内の陽の働きを制御できなくなったり、滋潤・濡養作用が低下したりする虚熱の証候で、虚証・熱証の性質をもっています。陰虚証に密接に関連している臓腑は肺・心・肝・腎と胃・大腸であり、肝陰虚・心陰虚・肺陰虚・胃陰虚・腎陰虚・大腸陰虚などがある。
薬膳処方
陰虚証に対しては、滋陰作用のある食材と中薬を用いますが、補血作用のあるものも一緒に使うことがあります。また陰虚証には内熱の症状も現れるので、清熱作用のあるものを併用することが多くなります。まずは帰経に従って、肝陰虚・心陰虚・肺陰虚・胃陰虚・腎陰虚・大腸陰虚に合ったそれぞれの経に入るものを先に選ぶようにします。 ▲TOP

症  状
臓腑機能が亢進し、体内に熱が盛んになり現れる症状です。「陽が勝れば即ち熱す」とあるように陽邪は熱・燥・動という特徴を持ち暑がり・顔が紅い・よく汗をかく・冷たい水を好む・脈数などの熱の症状がみられます。体が丈夫で食欲が旺盛な場合によく見られます。
薬膳処方
陽盛証の薬膳処方をつくるときの基本は、清熱制陽で涼性・寒性、苦味・鹹味の食材や中薬を組み
合わせると良いでしょう。胃・肝・心を重点的にみます。 ▲TOP

症  状
湿邪の侵入や臓腑機能の失調などが原因で、津液がスムーズに流れなくなると、体内に水がたまっ てしまうため、湿や痰飲によって、特に下半身のむくみ・冷え・痛み・麻痺などの症状が現れます。湿証には、外因による外湿と臓腑機能の失調による内湿がある。外湿でも内湿でも個人の体質により変化し、気虚・陽虚の体質の場合は寒湿に変わり、陽盛・気鬱の体質の場合は湿熱に変わりやすいので、弁証するときに確認する必要があります。
薬膳処方
湿証の薬膳処方をつくるときの基本は、外因の湿邪に対しては辛温解表・芳香化湿の作用がある食
材や中薬を用い、臓腑機能の失調には健脾利湿・利尿の作用のあるものを用いることです。それと同時に、兼症も考えて食材と中薬を選ぶようにします。湿の排泄には気の働きも必要なので、理気作用のある食材と中薬も組み合せると良いでしょう。 ▲TOP

症  状
精神的な緊張・不安、不愉快な情緒などのストレスによって気機の巡りが滞ったために起こる病気 です。気機の「動き」の状態は、七情の影響によってさまざまな反応として身体に現れます。悩み や悲哀や憂いの感情は気機の巡りを詰まらせ、滞らせてしまいます。このような気の「動き」による身体の変化は、一時的な変化なので、積極的に対応すればよくなります。
薬膳処方
気鬱証に対しては、薬よりも日常生活に気をつけて精神状態を調えるよう努力したり、食生活の調
節をすることの方が効果的です。薬膳処方を作る際には、肝気の疏泄をはかることが最も重要です。 ▲TOP

症  状
臓腑機能の失調・怪我・外邪の侵入などにより血流が緩慢になり停滞することにより現れる症状で す。「通ぜざれば即ち痛む」および血瘀の症候であり固定性の刺すような疼痛、圧痛、痛みが夜間に増強します。口唇や皮膚の紫暗色、舌質が紫暗あるいは、斑点や瘀斑などが現れます。食生活が豊かになり、寿命の延長などが原因で、運動不足・肥満、生活習慣病などにより血流が緩慢になりこの体質が増えてきます。
薬膳処方
血瘀証の薬膳処方は、活血化瘀で温性、辛性の食材や中薬を組み合わせると良いでしょう。肝・心を重点的に見ます。又、原因に対する治法を併用する必要があります。 ▲TOP

             

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