暮らしの中の身近な食薬        No.015

人参












薬草人参(高麗人参、朝鮮人参、吉林人参、オタネニンジン)
約1300年前、中国、朝鮮から渡来した薬草人参(ウコギ科)は極めて巾広い薬効があるとして今日でも、伝統薬の王としての地位を守り続けています。その歴史は、今から約2000年前、張仲景の「傷寒論」や「神農本草経」に記載があります。
日本への渡来は739年、満州ツングース系の民族国家の使者が進上品として持ち込んだのが最初です。当時は重要な国家財源のひとつでした。1607年徳川家康はこの種子の栽培を命じていますが、成功はせず、本格的な栽培研究は1722年8代将軍吉宗の頃、小石川薬園で研究が続けられ、6年後日光御薬園ではじめて国産化に成功しました。幕府の威光を受けた種子から、オタネニンジン(御種人参)の名が生まれました。この栽培技術は全国に受け継がれましたが、現在は中国、韓国からの輸入に依存しています。

人参
人参は本来、薬草人参(ウコギ科)を指していましたが、日本においては江戸時代以降、セリ科の根菜である「胡蘿葡:こらふ」が舶来の野菜として知られるようになると、根の部分を食するという共通点からセリ科の人参「せりにんじん」と呼ばれるようになり、こちらの方が普通「人参」と言われるようになりました。効能効果とも全く別のものです。

<効能効果>
西洋人参(ウコギ科)

補血類、涼、甘、微苦/肺、心、腎、脾
気を補う作用、体内の水分を補う作用の両方を併せ持つ。補気養陰作用で、気陰両虚の疲れ、息切れ、咳嗽、煩燥、心悸、不眠。清熱生津作用で、熱病損傷の発熱、汗、口渇、喉の乾燥に効果がある。

人参(セリ科)   
養血類 平(微温)、甘/肺、脾、胃、肝。
働きは、養血益肝明白で血虚による目の乾燥、かすみ、視力低下を改善。斂肺止咳で咳や咳痰を静め、健脾化滞で脾虚の食欲不振、下痢便秘に効果がある。

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