No.053

鍋巴(おこげ)







中国において宋の時代、南京の寺院において粥を作る当番だった小坊主が居眠りをしていて焦がしたことがきっかけになったとされています。鍋巴とは、中華料理の中でも、特に四川料理のひとつとして知られるメニューです。日本語では中華おこげと呼ばれることが多く、正式な鍋巴は、鍋の底にできたおこげを削り取って使っていたそうです。しかしながら、現代ではそのような作り方ではなく、乾燥させた米飯でできた物を利用する店が多くなりました。焦げるまで乾燥したお米に、粘性の高いあんをかけて食すのが一般的なスタイルであり、香ばしい香りとともに、パリパリのおこげとあんのとろりとした食感を一緒に楽しむことができる料理です。

<効能効果> 
分   類:消食類
性味/帰経:平、甘、苦/脾・胃
効   能:消食止寫:腹張、胃のもたれ、下痢
      補気健脾:気虚の消化不良、食欲不振、疲労



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薬膳インタビューの田原様より、鍋巴(おこげ)の作り方とレシピを教えて頂きました。

<作り方>
① 温かいご飯を、クッキングペーパーに拡げ、もう一枚重ねてのばします。(3~5mm)
② ペーパーを剝がして、笊で風通しの良いところで表面が乾く程度に干します。
③ フライパンを熱くし、乾いたご飯をのせ、おこげ色になるくらい
  両面焼きします。
④ ③を4×5cm(お好みの大きさ)に切り再度しっかり干します。
  ジプロックで保存し作り置きしておくと便利です。

<レシピ>
胃のもたれや食欲がない時:
鰹だしで蕪や山芋、にんじんを煮て、陳皮を加え薄口醤油で味をつけ、おこげを加え、5分程煮ますと柔らかくなります。最後に生姜汁を加えると美味しくいただけます。
補気健脾が目的の時:鍋巴を油で揚げて花を咲かせ、補気健脾の食材を入れた熱々のあんをたっぷりかけて熱いうちにいただきます。

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