No.045

蛸(タコ)







日本人とタコの縁は、2000年ほど前にさかのぼると言われており、鹿児島県指宿市、兵庫県明石市、大阪府堺市などの弥生時代の遺跡から、タコを捕まえるための「蛸壺」と思しき器がまとまって出土されています。古文書に「タコ」が登場するのは、713(和銅6)年の『出雲国風土記』で、出雲郡の杵築御埼(きづきのみさき)にいたタコを天羽々鷲(あめのははわし)がさらい、たどりついた島が「タコ島」と呼ばれるようになったという話です。「タコ」には「虫へんに居」と「虫へんに者」の字が当てられ、この島は松江市の中海にある大根島のことを指します。「たこ」が訛化して「だいこん」になったとも言われています。現在日本国内では毎年約3万7千トン前後のタコが収穫されており、加えて西アフリカのモーリタニアやモロッコ、中国などから輸入し、日本のタコ年間消費量は世界全体の約60%を占めるほど、タコを愛する国でもあります。

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タコは養血類に属し、血を補いながら身体を滋養する働きがあります。特に春は「肝」の活動が活発になり、血流の流れを調節する肝の働きがアンバランスになります。タコはこの時期に摂ってほしい食材のひとつです。

タコとアスパラガス炒め
材 料:
タコ、アスパラガス、柚子

作り方:
①アスパラガスは適当な大きさに切り、熱湯で湯がく。
 タコの足はぶつ切りする。
②フライパンに油を入れタコをさっと炒め、①のアスパラガスを
 加える。
③塩・胡椒で味を調え、柚子の絞り汁を少しかける。

分類、性味・帰経/効能
タコ    :養血類 寒、甘、鹹/脾、肝 養血益気、収斂生肌、生津止濁
アスパラガス:滋陰類 微温、甘、苦/肺、心、肝、腎 清熱滋陰、潤燥止咳
柚子    :理気類 寒、甘、酸/胃、肺 健脾消食、止咳化痰

タコは寒性なので、火を通したり、気の巡りをよくする酸味を加えると良いでしょう。

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