中国で最初の薬学専門書『神農本草経』では365種類の食薬を、使う目的によって分類。元気で長寿を望むとき使うもの「上品」、病気を予防するために使うもの「中品」、毒性強く薬効強く、病気を治療するもの「下品」とあります。薬膳学が中医学の進歩とともに成熟期に入り、まとめられた書物が李時珍の『本草綱目』。食療と薬膳の内容も多く、効能よりも、食薬の持つ性質、味、帰経、食品群による分類が書かれ、現代の考え方に近いものとなっています。この両書の分類を参考にしてできた、主編 辰巳洋、日本国際薬膳師会編『早わかり薬膳素材』の「上品、中品、下品」を基に、暮らしの中の身近な食薬を紹介してゆきます。

 No.079  
食 薬 名 羊肉
区   分 上 品
分   類 助陽類
性味/帰経 大熱(熱)、甘/腎、脾、肝、胃
働   き 1.温陽暖下
2.益気補虚
3.通乳治帯


羊肉は、ユーラシア大陸各地が原産で、主産地はオーストラリア、ニュージーランド、中国などです。帰経は胃、脾、腎です。羊肉の働きは、陽気を温め、腎の気を補い、下腹部を温める温陽補腎暖下と、気を補い、虚弱体質や慢性的な疲労を回復させる益気補虚と母乳不足を改善する通乳治帯があります。
羊肉は、寒さが厳しくなる冬の養生におすすめの食材で、ネギや生姜などの温める野菜と一緒に煮込む「羊肉鍋」などがあります。また、羊肉特有の臭いは、桂皮・大茴香や胡桃と煮ると解消できます。しかし、風熱・風寒の風邪、陰虚有熱、肝陽亢盛、消化不良には禁忌で、妊婦も摂取は控えます。

出典:薬膳素材辞典(辰巳洋著)
執筆者:Web部 中島悦子

ご紹介食薬の掲載履歴はこちら▶︎ この章のトップへ▶︎