 烏梅(うばい)

未熟な梅の果実を、薫製にしたもので、 梅実を籠に入れ、釜戸の煙で黒く燻し、乾燥させて作られます。梅という漢字から梅干しを連想しますが、塩は一切使われていません。
夏の暑気払いとして酸梅湯(さんめいたん)という飲み物が有名ですが、烏梅をメインに山楂子、甘草、陳皮などをお湯で煮だして作ります。甘酸っぱいジュースとしても売られています。またゼラチンで冷やし固めたゼリーのお菓子もあります。
烏梅は黒梅とも呼ばれ、約1400年前に遣隋使、遣唐使により薬用として伝えられました。烏梅は漢方薬としてだけでなく、当時は全く別の用途に使われ、貴重な物とされました。梅には「クエン酸」が多く含まれており、紅花から「紅」の色素を取り出す時、その天然のクエン酸を染色の「媒染剤(ばんせんざい)」として利用していました。紅花染めの場合、まずオレンジ色の紅花から、アルカリ性の灰汁で紅色を分離し、その後、烏梅(クエン酸)で繊維へ紅色を染着します。
分 類 収渋類
性味/帰経 平、酸/肝、脾、肺、大腸
効能効果 斂肺止咳:肺虚の慢性咳、喘息
渋腸止瀉:慢性の下痢
安蛔止痛:蛔虫による腹痛、嘔吐
生津止渇:虚熱の消渇
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伝統を守り抜いている烏梅農家(梅古庵)をご紹介します。
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奈良県の月ケ瀬梅林は「烏梅」を作るために植えられた梅林で、それは
薬用ではなく、主に紅花染め用に使われていました。現在は、700年伝
統を守り抜いている最後の1軒、梅古庵さんだけです。
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