 粳米

日本人の主食である米のルーツは、稲作の伝来とともに、弥生時代に大陸からもたらされたようです。中国の東南地方が起源で、台湾や朝鮮半島を経て日本に入ってきたとされており、確認されている中では、佐賀県唐津の菜畑遺跡が日本最古の稲作遺跡です。古代人が食べていた米は、赤米・黒米といわれるものでしたが、収穫までに手がかかっていました。今私たちが食べている米は、長年の品種改良の末にあるものです。古代人の米の調理方法は、最初は煮る粥が中心で、蒸す調理法が一般化したのは奈良時代と考えられています。鎌倉時代になると、囲炉裏(いろり)が使われるようになり、米も鍋で煮て食べたり、せいろで蒸したり、「羽釜(はがま)」(周囲につばのはついた釜)で炊く方法になっていきました。江戸時代に土鍋で炊き上げる方法になりました。
<食材の効能>
平性/甘味/脾・胃
補中益気・健脾和胃:脾気虚の疲れ、食欲不振、嘔吐、胃腹脹満、むくみ、下痢、除煩止渇、
精神不安、イライラ、口渇
漢方薬の白虎加人参湯は、特に夏ばての際によく処方されますし、麦門冬湯は、乾燥による口渇や皮膚の乾燥によく使われます。また、粳米には神経伝達物質のGABA(γ-アミノ酪酸)が含まれています。GABA(γ-アミノ酪酸)は、グルタミン酸というアミノ酸から作られますが、脳を休めたり落ち着かせるために必要なものになります。ミネラルやビタミンも豊富な食材になります。
IT部おすすめ 『五平餅』
五平餅は、中部地方の山間部(長野県木曽、伊那地方、岐阜県東濃、飛騨地方、富山県南部、愛知県奥三河地方、静岡県北遠、駿河地方)に伝わる粳米を使った郷土料理です。五平餅の起源は、神道で捧げられる「御幣」から説や、五兵衛さんが米を潰してお味噌をつけて焼いて食べたとか諸説ありますが、家でも簡単につくれるので是非作ってみてはいかがでしょう。
作り方(2人分)
① 粳米を炊く。
② ご飯130gに塩少々、片栗粉小匙1を加える。
③ ②を潰しながらモッチリするまで混ぜ、扁平は楕円形を2つ作る。
④ アルミホイルを敷いた上に並べ、ガスコンロのグリルで5~6分
くらい表面に焦げ目がつくまで焼く。
⑤ 味噌に砂糖、みりん、酒を加えて田楽味噌を作り、④の上に塗っ
て2分、裏返して1分香ばしく焼き、持ち手を付けて完成。 |
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