暮らしの中の身近な食薬        No.021

韮(にら)











韮(ニラ)は3000年以上の長い歴史を持つ野菜です。原産地は東アジアの地域で、中国西部、ベトナム、インドなどで紀元前から栽培されていました。日本へは弥生時代に中国から伝わってきたといわれています。日本最古の歴史書である古事記には、「賀美良(かみら)」平安時代の薬物辞典には「古美良(こみら)」万葉集には「久久美良(くくみら)」という呼び名で登場します。現在のニラという名前は、これらの「ミラ」が転じて「ニラ」となったことからきています。古くから親しまれてきたニラですが、主に薬用の食物として食べられていました。野菜として食べられるようになったのは、明治時代になってからです。しかし野菜として食べられるようになった後も、ニラ独特の強い匂いから、それほど普及していませんでした。戦後になり、中華料理が広まったことで、ニンニクに次ぐスタミナ野菜として、ニラも広く食べられるようになりました韮の旬は、3月から5月なので、これから美味しい季節になります。

<効能効果>
韮は、温性/辛味/肝、胃、腎、温裏類に分類されます。温陽解毒:胸痹、脘腹、腰膝冷痛、ゲップ、嘔吐。下気散血:吐血、鼻出血、血尿、不正出血。食欲増進・疲労回復:食欲不振、疲労に効果があります。

IT部おすすめ:韮とサケの粥
コロナ禍で精神的な不安定、ストレスから肝気鬱結が引き起こされ、体調を崩しやすいです。胃の調子を整え、気の巡りを高めましょう。韮とサケのお粥はいかがでしょう…!(参考:「中医薬膳学」辰巳洋著)

材 料:米80g、サケの切り身(甘塩)1枚、韮一株、
        陳皮10g、塩
作り方:① サケを焼いて身をほぐす。
    ② 韮をみじん切りにする。
    ③ 米に水800㏄を加え、粥をつくる。
    ④ 粥が出来上る少し前にサケと韮と陳皮を入れて塩で
      味をととのえる。
効 能:疏肝健脾
    韮 :辛、温/肝、胃、腎  温陽解毒、下気散血、血流促進・疲労回復
    鮭 :甘、温/脾、胃    健脾温中和胃、補気益気
    陳皮:温、辛、苦/脾、肺  理気健脾、燥湿化痰

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