暮らしの中の身近な食薬        No.009

蕎麦(そば)













日本のそばは、元をたどれば大陸伝来の食べ物です。植物のソバの原産地は、中国雲南省からヒマラヤあたりにかけてという説が有力です。日本でソバの栽培が始まった時期はかなり古くまでさかのぼり、縄文時代だと言われています。そばは厳しい環境でも育つために、日照り続きで稲の収穫が見込めない中、普通より遅く実る晩禾とよばれる稲や小麦とともに、栽培が推奨されたのが「そば」でした。日照りや冷涼な気候にも強く、また栽培する土地もさほど選ばないため、凶作の時も収穫が見込める救荒作物として位置づけられました。

今、「そば」といえば、だれもが色の少しついた長細い麺の食べものを思い浮かべますが、少なくとも16世紀頃までは「そば」に麺としての形をしていませんでした。昔、そば屋に入ると、そば粉を湯でこねて餅状にした「そばがき」や「そばもち」が食べられていました。その後麺状になり、江戸時代には小麦粉と混ぜる手法がされ、現代の蕎麦になりました。 <効能>
蕎麦は、「理気類」に分類され気の流れを良くして臓腑の働きを調整し、気滞証、気逆証を改善します。蕎麦は、開胃寛腸作用で、食べすぎ、胃腸積滞、腹痛に。下気消積作用により、下痢、オリモノに効果があります。また、色素フラボノイドであるルチンには、毛細血管のからの出血を防ぐ効果があるため、高血圧、糖尿病、脳出血の予防に効果があります。

<オススメの食べ方>
蕎麦本来の味を味わえる、ざるそばが一番美味しいですね。最後にいただく蕎麦湯もしっかりいただくと、日本人だなと思うほど身にしみます。

IT部おすすめ「そば餅」の老舗をご紹介!
本家 尾張屋
「御用蕎麦司」として550年近くの歴史のある菓子屋・蕎麦屋
「本家 尾張屋」。代表銘菓「そば餅」は蕎麦粉を使ったお菓
子の先駆けだったと言われています。「餅」とは、かつては丸
いものの総称だったとか。小麦粉と蕎麦粉を混ぜ、鶏卵と砂糖
を加えた皮に大豆濾しあんを包み天火で焼いて、てっぺんに黒
胡麻を振ったお饅頭です。

   ▶︎掲載履歴のトップへ  ▶︎暮らしの中の身近な食薬トップへ
Copyright © 2016 JFMCM All Right Reserved.