暮らしの中の身近な食薬       No.004

 暮らしの中の身近な食薬 No.004

 レモン












レモンの祖先にあたる果物は中国南部もしくはインダス文明周辺が起源といわれています。その後、中近東を経てヨーロッパへ渡りました。古代ヨーロッパではレモンは観賞用の植物でしたが、中近東ではアラブ人による「医食同源」思想により料理やシャーベットなどで使われるようになり、地中海に広まったとされています。
10世紀半ば、東地中海海岸でレモンの栽培が始まり、11世紀半ばにはエジプトの市場でもレモンが売られていたと記録が残っています。
また、世界各地に広まったのは大航海時代と言われています。壊血病で航海中に患う壊血病の予防としてビタミンCを多く含むレモンが重宝されました。世界中へ食物を広めたこの時代の船乗りの健康を支えたレモンは、その伝播と共に、人類の食生活の発展に貢献しました。(サッポロポッカより参照)

<効能効果>
レモンの皮には、疎肝理気、健胃袪痰作用があり、ストレスからくる消化不良や食欲不振の改善に役立つとされています。皮の香成分(精油成分)のひとつリモネンは、柑橘類の皮、山椒、ブラックペッパーやカルダモンなどのスパイスにも含まれている成分。レモンに含まれているポリフェノールは、高血圧や糖尿病の予防にも注目されている成分です。

<食べ方>
どんな料理にもあうレモンは、万能食薬です。レモンの語源は、ペルシャ語由来のアラビア語というのも興味深いですね。「塩漬けレモン」は、モロッコの家庭では「ムッスィーヤ」と呼ばれ、梅干し的存在。イラン、インドなどでも、干したり皮ごとピクルスにしたり、煮物やスープに使うとのこと。クエン酸と塩分で疲れた体を労い、料理には防腐効果、そして食欲をそそる芳香を与えてくれますと、インタビューの藤井真紀様から教えて頂きました。

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