薬膳インタビュー           No.019 

新田玲子さん










さいたま市在住。イタリア繊維メーカー勤務ののち、イタリアに留学。シエナ外国人大学修了後、現地繊維メーカーに勤務し帰国。結婚、出産を経て、夫の赴任に伴い再び渡伊。ミラノでイタリア家庭料理研究家野尻奈津子氏に師事。帰国後イタリア料理の会ティラミス主宰。本草薬膳学院イタリア料理公開講座担当。薬膳健康づくり研究会イタリア料理担当。『イタリア薬膳ごはん』イタリア食文化文筆・翻訳家中村浩子共著出版。国際薬膳師


① 薬膳を始めたきっかけは何ですか?
イタリア語を教えている東京誠心調理師専門学校で、薬膳を教えていらっしゃった辰巳洋先生と知り合ったのがきっかけです。本草薬膳学院でイタリア料理の公開講座を依頼され、中医薬膳師コースの実習を受講し、薬膳の基本を学び、手探りで講座を始めました。

② イタリア料理と薬膳の接点はどこですか?
古代ギリシャ時代から地中海世界にも「医食同源」の考え方がありました。中世には、イタリアに医学校ができ、四季の食養生を説いた『サレルノ養生訓』」がまとめられました。この中では、病気を治療するのではなく、ならないように予防することが大切だと説かれています。日々の暮らし方のアドバイスもあり、『黄帝内経』に通じるところがあると思います。こんなにも昔から東洋と西洋に同じような「食養生」の考え方があったということは、驚きですね。イタリアにも四季があり、季節の食材や料理を大切にします。また使われる食材やハーブ、スパイスには、薬膳と共通するものがたくさんあります。『イタリア薬膳ごはん』に共著者の中村浩子さんが詳しく書いておりますので、ご一読頂ければ幸いです。
 1月なので、イタリアのクリスマスや新年の行事についてご紹介しましょう。クリスマスは、親族が集まり、料理を持ち寄り、家で厳かにお祝いします。その代わり大晦日は、陽気に大騒ぎして楽しみ、ザンポーネ(豚足に豚肉や脂を詰めた太いソーセージ)やコテキーノ(腸詰め)とレンズ豆を煮込んだものを食べます。豚は幸運をもたらすシンボルとされています。レンズ豆は、形が硬貨に似ていることから、金運を呼び込むと言われています。
 例年ですと、こうして明るく楽しく新年を迎えるのですが、コロナウィルスの感染拡大の影響で、イタリア全土では昨年から厳しい規制が敷かれています。一日も早く感染が収束し、自由に人が集うことができる平穏な日が訪れることを願ってやみません。

③ 著書「イタリア薬膳ごはん」の中で、特にご労力されたところはありますか?
料理に時短を求められたことが一番大変でした。今までは、おいしさを優先して、時短を考えたことがありませんでした。しかし、忙しく働く人たちにこそ、食事で健康になって頂きたいと考え、時短に取り組みました。また、症状改善レシピでは、効能に合わない食材は使えません。本来のレシピを変えながら、おいしく仕上げるというのも大変でした。

④ 食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
胡桃をおすすめします。腎、肺、大腸に働き、腰痛、下肢無力、むくみ、冷え、咳、便秘に効果的です。イタリアでも、料理やお菓子に幅広く使われています。形が脳に似ているので、脳によい。毎日食べると10歳若返る。とも言われていますね。イタリアで、胡桃が木から降ってくるのを見たとき、これが天の恵みということかと感動したことが忘れられません。

⑤ 今後はどんな未来図をお持ちですか?
イタリア料理と薬膳の勉強をさらに深めて、新たな共通点をさぐり、よりおいしく体によいイタリア薬膳料理をご紹介して行きたいと思っています。イタリアの食文化、習慣、魅力についてもお伝えし、おいしいいイタリア薬膳料理で、たくさんの方に幸せを感じて頂けるようにがんばります。

薬膳インタビュー掲載履歴へ▶︎ この章のトップへ▶︎