中国で最初の薬学専門書「神農本草経」では、365種類の食薬を使う目的によって分類。元気で長寿を望むとき使うものを「上品」、病気を予防するために使うものを「中品」、毒性強く薬効強く病気を治療するものを「下品」としています。薬膳学が中医学の進歩とともに成熟期に入り、まとめられた書物が李時珍「本草綱目」。食療と薬膳の内容も多く、効能よりも、食薬の持つ性質、味、帰経、食品群で分類され、現代の考え方に近いものとなっています。この両書の分類を参考にしてできた、主編 辰巳洋、日本国際薬膳師会編「早わかり薬膳素材」の「上品、中品、下品」を基に、暮らしの中の身近な食薬を紹介していきます。

 No.073  
食 薬 名  大根
区   分  中 品
分   類  消食類
性味/帰経  涼、辛、甘/脾、胃
働   き  1.順気消食 
 2.下気寛中
 3.消化熱痰
 4.散瘀止血


大根は、原産地は定かではありませんが、日本でも各地で栽培されている身近な食材です。大根は、消食類に分類され、消化を促進し、飲食積滞、消化不良を治療する食薬です。性味は、涼、辛、甘。帰経は肺、胃、脾です。大根は、気の巡りを順調にし、消化を促進し、胃気を下降させ穏やかにする働きのほか、痰を取り除く働きや瘀血を取り除き、出血を止める働きがあります。大根特有の辛味は、アリルイソチオシアネートと呼ばれる成分によるもので、おろすことで生成されます。大根の種は、莱菔子という食薬で、消食化積、降気化痰の働きがあります。

出典:薬膳素材辞典(辰巳洋著)
早わかり薬膳素材(主編:辰巳洋、日本国際薬膳師会編)
執筆者:Web部 中島悦子

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