No.064  
 食 薬 名  五味子(ごみし)
 区   分  中 品
 分   類  収渋類
 性味/帰経  温、酸/肺、腎、心
 働   き  1.斂肺滋腎
 2.生津斂汗
 3.渋精止瀉
 4.寧心安神


五味子は、マツブサ科のつる性植物で、秋に赤い実をつけます。五味子は、その名前の通り、五つの味(甘味、酸味、苦味、辛味、塩味)を持つことが由来です。
五味子には、朝鮮五味子と中国五味子がありますが、大きな違いは、朝鮮五味子には、肝機能改善の働きがあると言われていますが、ここでは中国原産の五味子について紹介します。
五味子の性味は、温、酸、甘です。帰経は、肺、心、腎です。五味子は、収渋類という体の老化とともに、各臓腑の引き締める力が虚弱になることで現れる症状に対応し、臓腑の収斂固渋機能を強化します。五味子は、肺虚や、腎不足による慢性咳、喘息、下痢に働く他、生津斂汗の働きにより津液を出し、汗の出過ぎを防ぐことにより口渇、自汗、盗汗に作用し、寧心安神の働きにより、動悸、不眠、多夢に作用します。ただし、風邪などの症状、熱、初期の咳には使用しません。五味子は、乾燥させた果実を煎じてお茶にしたり、ホワイトリカーに漬けて薬酒として飲むことができます。

ご紹介食薬の掲載履歴はこちら▶︎ この章のトップへ▶︎