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No.059 |
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食 薬 名 |
大棗(たいそう) |
区 分 |
上 品 |
分 類 |
補気類 |
性味/帰経 |
温、甘/脾、胃、心 |
働 き |
補中益気、養血安神 |
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棗の実を干して蒸して乾燥させたものが大棗と言う生薬です。大棗の原産地は、中国北部です。大棗は、クロウメモドキ科の落葉高木で秋に、長さ2cmほどの楕円形の赤い果実がなります。大棗の働きは主に補中益気・養血安神・緩和薬性の三つが有ります。補中益気は疲労、食欲不振、目眩に作用します。養血安神は、貧血、動悸、不眠、多夢、イライラに作用します。緩和薬性は胃気を保護し、毒性や強い薬性を緩和する働きがあります。
大棗と似ている果実にデーツ(なつめ)がありますが、大棗とデーツは全く異なる果実です。デーツは、ヤシ科に分類され、ナツメヤシとも呼ばれ、長さ3〜7cmの楕円形の果実で、ねっとりとした食感と甘さが特徴です。大棗とデーツの栄養成分の大きな違いは、大棗に葉酸が多く含まれていることです。葉酸は、ビタミンB群の一種で、体内でDNAやタンパク質の合成、アミノ酸の代謝など食物を分解したり、生命維持に必要なものへ合成する働きがあります。また、赤血球の形成を助ける働きもあります。葉酸は大棗の働きである補中益気・養血安神・緩和薬性と関係があると思われます。 |