暮らしの中の身近な食薬        No.056

むかご(種子)











ナガイモや自然薯などのヤマノイモ属の蔓になる肉芽の事で、秋になると蔓の葉の付け根あたりに沢山付くのが「むかご」です。ナガイモとヤマノイモは別々の植物ですが、日本ではヤマノイモを山芋と呼ぶようになりました。山芋の歴史は米の歴史よりも古く、縄文時代から食べられていたそうです。歴史書や小説にも山芋の記述は多く書き残されています。「平家物語」や貝原益軒の「益軒十訓」、芥川龍之介「芋粥」に芋粥を飽きるほど食べたいと思っていた男の話があります。むかごは、地下の芋と同様、栄養価が非常に高い食材です。 山芋の皮をむいたり擦ったりすると手がかゆくことありませんか?皮付近のシュウ酸カルシウムの針状の結晶が壊されて、手や口などにささりかゆみが発生します。シュウ酸カルシウムは酸にとても弱いという性質があり、あらかじめ酢水につけてから料理するとか、レモン汁、食酢を薄めて洗い流すのことでもかゆみが軽減できるそうです。むかごは種子ですので、皮をむくことなくそのまま使えるのでとても便利な食材です。

<効 能>
むかご(種子)
分   類:補気類
性味/帰経:平性、甘味/肺、脾、腎
働   き:補気健脾・補益脾肺腎・養陰固精

IT部おすすめ
【むかごご飯】

むかごの皮は茶色、土壌で栽培されたものではないのですが、土の香りがします。良く洗ってから使いましょう。
【材 料】
米・・・・・・・・・2合
むかご・・・・・・・120g
塩・・・・・・・・・小匙1
【作り方】
ご飯を炊くときと同様に、米を研ぎ水加減を目盛りまで入れ、
むかごと塩を入れて普通に炊きます。

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