 里芋

里芋の原産地は熱帯アジアです。里芋には、親芋と子芋があり、子芋を食する土垂(どだれ)や石川早生(いしかわわせ)、親芋と子芋の両方を食する八つ頭(やつがしら)があります。同じ里芋でも、八つ頭はぬめりが少なく、コクがありホクホクとしています。独特のぬめりは、水溶性植物繊維によるものとガラクタン(多糖類)によるもので、水溶性植物繊維には、胃の粘膜や腸壁を保護し、消化を助け、便秘を解消し、ガラクタンには、免疫力を高め、がんを予防する効果があると言われています。また、カリウムが多く、余分なナトリウムの排出を促すため、むくみや高血圧を防ぐ働きがあります。
里芋は、痰を消す作用がある化痰類です。この「痰」とは、身体の中に停滞する痰のことで、痰が凝集すると腫れものやしこりを生み出します。これらの固まりを軟らかくして、散らす働きがあります。
<効 能>
里芋(さといも)
分 類:化痰類
性味/帰経:平性、甘味、辛味/大腸、胃
働 き:化痰軟結・消腫散結・・・瘰癧、痞塊、血便、消渇、泄瀉
益胃寛腸通便・・・消化不良、便秘
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里芋は煮物が代表的なお料理で、痰湿を取り除くことができます。緊張や不安が高まると津液の代謝が悪くなり、痰湿が生まれやすいです。里芋で気機の巡りをよくして症状の改善をはかりましょう。
里芋とたけのこの煮物
<材 料>
里芋5個、たけのこ100g、杏仁6g、唐辛子1本、からし菜少々、生姜、醤油、サラダ油
<作り方>
①里芋は皮をむき、2つに切る。たけのこは薄切りにする。
②からし菜は湯通しして2cmの長さに切る
③鍋を熱し、サラダ油を入れて、薄切りにした生姜・唐辛子を入れる。①を炒め、杏仁、醤油、水を入れて煮込む。
④里芋が柔らかくなったら、からし菜を入れる。
<効果効能> 降気祛痰
里芋は甘・辛・平で、腸と胃経に入り、化痰消滞。
杏仁・たけのこを合せて、降気祛痰をはかる。
参考:中医薬膳学 辰巳洋著 |