暮らしの中の身近な食薬        No.051

 蓮根











蓮根は、古代からアジアの食品として広く栽培されてきました。その歴史は数千年にわたります。根茎が水中に育つ水生植物であり、特に日本、中国、韓国、タイなどのアジアの国々では一般的に食べられてきました。古代エジプトや古代ギリシャでも蓮根は薬用としても使用されていました。その後、東アジアにおいても食材としての利用が広がり、料理やお菓子、薬などに使われてきました。
日本では蓮の花や葉も美術や宗教的な要素と結びついて重要な存在となっており、「蓮の花」は、阿弥陀経において、極楽浄土に咲く花とされています。
・淤泥不染の徳(おでいふぜんのとく)
・一茎一花の徳(いっけいいっかのとく)
・花果同時の徳(かかどうじのとく)
・一花多果の徳(いっかたかのとく)
・中虚外直の徳(ちゅうこげちょくのとく)
仏教では、この五つ(蓮華の五徳 )を持てば「極楽に生まれることができる」と説かれています。

<効能効果>
分   類:止血類
性味/帰経:寒・甘/心・脾・胃
効   能:涼血止血・散瘀・清熱生津(生):血熱出血、瘀血出血、目赤疼痛
      健脾開胃・要血生肌・止瀉(熱):疲労、食欲不振、下痢、貧血、血虚止血

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薬膳インタビューの大村和子様から、次のような情報を頂きました。
「余談:京都の料亭“和久傳”の西湖(せいこ)という蓮根菓子は有名です。口に入れたらとろけるような美味しさ、テイクアウト出来ます。」 蓮粉で作られてお菓子は珍しいので、新宿伊勢丹で販売されていることを知り早速購入。つるんとした食感の菓子を笹の葉で包んだものでした。「西湖」の作り方は、れんこんからとれる澱粉「蓮粉」に和三盆糖を加えて練り、蒸し上げてから冷やして笹の葉でくるんで完成。夏は冷やして、冬は温めても美味しいそうです。

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