暮らしの中の身近な食薬        No.046

ビーツ











ビーツは「テーブルビート」とも呼ばれ、地中海沿岸が原産と言われています。ヒユ科の根菜で大根の仲間であり、和名を「火焔菜(かえんさい)」といいます。紀元前1000年ごろから栽培されている古い野菜で、初めはヨーロッパで 薬用として利用され、その後中東地域へも広まって食用になったと言われています。1世紀ごろになって根の部分も食用として栽培されるようになるまでは、葉の部分を食べて いたという記録が残されています。薬の父、ヒポクラテスはビーツに血液を浄化する効果があり、健康を促進すると書き残しています。古代ローマ人は スタミナをつけるためにビーツを食し、傷薬として葉を利用していました。また、ビーツには催淫効果があるといわれ、古代ギリシャ人は、愛と美の女神アフロディーテが、美を保つためにビーツを食べたと伝えられていました。ビーツの根の部分は古くから利用されていたが、改良などが重 ねられ、いわゆるビーツという品種が成立したのは16世紀頃のヨーロッパといわれています。日本の伝来は江戸時代と言われています。当時、貝原益軒によって編纂された本草書「大和本草」(1709年刊行)に記述が残されています。(参照)

<効能効果>
ビーツ(甜菜)
分   類:活血化瘀類
性味/帰経:平性(涼性)、甘/肺、脾、胃、肝、腎 
      1.活血行瘀:吐血、生理出血が止まらない、閉経 
      2.清熱解毒:熱毒下痢の治療、腫れ物、下痢 
      3.寛胸下気:胸脇痞満

<IT部おすすめ>
血の流れを促進し、瘀血を解消する食薬のビーツを使って、簡単なビーツのポタージュを作ってみましょう。

ビーツのポタージュ
<材 料>(2人分)

ビーツ・・・・・・・・・1個(80g)
玉ねぎ・・・・・・・・・1/4個
米・・・・・・・・・・・30g
水・・・・・・・・・・・200cc
塩・胡椒・・・・・・・・少々
                   
<作り方>
①ビーツはきれいに洗って皮をむき、みじん切りにする。
②玉ねぎも同様にみじん切りにして、1と炒める。
③2に米と水を加えて、ゆっくり煮る。
④米と野菜が柔らかくなったら、ミキサーにかける。
⑤ミキサーから4.を鍋に移し、ポタージュが150~200㏄になる様に水を加え温め、
 塩・コショウで味を整える。
⑥ビーツの茎と葉の部分を少し刻んで飾る。

ビーツの茎と葉もおいしいので炒めてみましょう。
①茎と葉を3cm程度に切る。
②フライパンに油を入れ、1を炒める。
③塩・コショウで味を整える。

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