暮らしの中の身近な食薬        No.007

棗(なつめ)












棗は、中国からアジア西部に多いクロウメモドキ科で、落葉樹の低木です。常用漢字では「棗」と書きますが、その由来は「棘」という漢字から来ています。棗は果実の両端に2本の棘を生やし、自ら害虫や鳥から種を守る植物だからです。また、茶道具の「棗」も同じ漢字を使いますが、これは形状が似ていることから。茶道が発達し始めた昔は、今より棗が身近な存在だったのかもしれません。初夏に芽吹き、花を咲かせることから「夏芽(なつめ)」という説もあります。

日本では奈良時代に渡来したと言われ、「万葉集」に登場します。平安時代の薬学書「本草和名(ほんぞうわみょう)」にも記述があり、古くは薬として用いられていた歴史があります。昔は家の庭に植樹されており、生で食べるのが当たり前でした。棗の木は、現在でも稀に庭木として植栽されていますが、多くが伐採され少なくなってしまいました。

一方、中国では世界三大美女で知られる楊貴妃が好んで食べ、後に「一日食三棗 終生不顕老」(一日3粒の棗を食べることで、老いを防ぐ)という言葉も残っています。なつめは「桃・栗3年、杏は4年、梨は5年、棗は1年で毎年実り金になる」と言われ、縁起の良い食べ物とされています。(棗専門店「なつめいろ」からご教示)

<効 能>
棗は、食薬としては大棗(タイソウ)と書き、補気類に分類されます。疲れや食欲不振、めまいに効果があります。また、養血安神作用もあります。躁鬱、貧血、心悸、不眠、多夢、イライラを改善させる効果があります。ミネラル、亜鉛、鉄が多く含まれており、PMS(生理前症候群)にも効果があると言われています。

<オススメの食べ方>
煮物、薬、お茶、デザートと幅広く使える食材になります。この時期なら、黒豆茶に入れて飲むのもお薦めです。
「薬膳のお菓子」(辰巳洋、大村和子著)から「にんじんのタルト」をアレンジし、大棗を沢山使ったなつめ餡でロールケーキを作ってみました。

なつめ餡いりロールケーキ
作り方はこちら▶︎

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