 田原静穂さん
プロフィール:1944年静岡県熱海市生まれ。神奈川県横浜市青葉区在住。食物科卒業後、年金病院リハビリテーション科で言語訓練を指導。結婚後家庭に入るが、娘が中学生の頃食物アレルギーになり除去食での治療を7年間続ける。地域ボランティアの活動や保健所の在宅栄養士の仕事で復帰。「北京中医薬大学継続教育日本分校」で薬膳科の開校を知り、辰巳洋先生の1期生として学ぶ。2006年中国薬膳研究会から中国の山東省で開催された「中国薬膳美食文化祭」薬膳コンテストにて東岳泰山薬膳杯「金牌菜」を授与、「中国滋補養生薬膳名師」の名称を取得。本草薬膳学院講師として学院と誠心調理師専門学校など勤務。地元保健所より「お父さんのための薬膳教室」の依頼を受け男性だけの薬膳教室を10年間指導。国際薬膳師会認定部部長

①2006年「中国薬膳美食文化祭」薬膳コンテストにて東岳泰山薬膳杯「金牌菜」を授与され、中国滋補養生薬膳名師」の名称を取得されました。どのような薬膳を出品され、どのような賞でしょうか。 2004年3月中国薬膳研究会主催「第三回中国薬膳料理コンテスト(園丁園杯)」に本草薬膳学院から初めて5名参加、中国全土、日本、韓国、台湾から211名の参加者でした。点心類に大和芋、ゆり根、白豆、粉末紅麹を材料にした練り切りを「春風桜花」と銘し出品致しました。その後、2006年3月山東省済南に於いて、「中国薬膳美食文化祭」が開催され、薬膳コンテスト128名の参加で行われ東岳泰山薬膳杯「金牌菜」を授与、「中国滋補養生薬膳名師」の名称を 頂きました。その時のメニューです。
オードブル部門
前菜:お花見の前菜、袱紗寿司。海老とアスパラの串刺し。蓮根のサーモンはさみ。蚕豆。
黒豆の盛り合せ
前菜:雛祭り前菜 蛤のちらし寿司。鯛の磯辺巻き。菜の花のお浸し。
熱菜:桜蒸し。
熱菜:炊き合わせ五種盛り
②「お父さんのための薬膳教室」を10年間ご指導されていますが、お教室の特徴や、またエピソードがあれば教えてください。
青葉区鴨志田保健活動推進委員会の行事として、「これから定年退職する人たちが多くなり、特に社会的に活躍されてきた方が多くいる地域ですので、この方々に地域活動に参加して頂く為に「ウオーキングの会」と並行して健康の維持増進を目的としたお父さんだけの薬膳教室を企画しましょう。」と説得され10年間続きました。60~70歳代の料理の経験もない男性が多く、薬膳の説明をどうすればよいのか悩みましたが、初めての会で、「エプロンの着方が解かりません。」と手を挙げた方がいて吹っ切れた気がしました。五臓と色、五臓と味と季節、補腎を中心に進めていきました。
五行を理解出来る方が増えてきた時は感動しました。中華街へ蒸籠を買い に行き、繰り返し作り家族に褒められた方や、スープが得意になった話や、大変なこともありましたが、私自身いい勉強が出来ました。地味な活動でしたが、地域活動にお父さん達が参加されるようになりましたことは、目的をすこし果たせた気がいたしました。保健活動委員の方々が高齢になり3年前に終了致しました。
③いろいろと薬膳を作られてきた中で、(今の季節でなくても)最も効果効能の高いと思われた薬膳メニューはありますか?どのような症状に対してどのようなメニューですか? 参鶏湯は疲れた時、寒い日の我が家の定番になっております。丸鶏や高麗人参がない時は、水炊き用のぶつ切りや当帰に替わります。元気になる気がいたします。玉蜀黍の炊き込みご飯の実習で、鬚効能と作り方を説明ましたら、奥さんが作り煎じて飲むようになり浮腫みがとれて毎年作っているようです。以前、冷房による風寒風邪にかかり、咳と水様の鼻水と痰が沢山出ました。「右肺2/3が白くなっています。」と言われ、葱、生姜、紫蘇の葉、シナモンを組み合わせて、緩いおかゆを食べて安静にしていました。それ以来この粥も我が家の救急食です。
④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
粳米原料の「鍋巴」をおすすめ致します。辰巳先生の特別講座「粳米の応用」を受講し効能の凄さを改めて認識出来ました。
複雑な薬の性味を緩和すると同時に脾胃を護り、お粥や重湯で胃腸を養い、体力を回復し消耗された正気を補う素晴らし
食材であり中薬です。
⑤今後はどんな未来図をお持ちですか? 活動のエネルギーはどこからくるのでしょう?
若い方に交って、私より上の高齢の方2名いらっしゃる薬膳教室は継続していきたいと思っています。元気の源は、なるべく旬の食材で地産地消を心掛け、しっかり食べることだと思います。時間があれば、近くのたんぼ道をノルディックウォーキングのポールを使い歩きます。
国際薬膳師会は会員数も多くなりましたので理事会でとり上げて頂いておりますようにブロックに分けて、多くの会員が参加しやすい体制を整え、活動できたら新しい展開も期待できるのではと思います。
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