 葭谷麻利子(よしやまりこ)さん
プロフィール:三鷹市在住、食品栄養学科を卒業後、米国ミズーリ州立大学にて栄養学を、コルドンブルー料理学校にて料理と製菓を習得。中医学を劉海洋(辰巳洋)氏に師事。現在、ニュートリ・クッキング代表、日本野菜ソムリエ協会・フードコーディネーター協会・食育インストラクター協会などの講師を務める。2001年、江上料理学院退職後ニュートリ・クッキングを起業。2004年、ミズーリ州立大学よりInternational Distinguished Service Awardを受賞。著書:「今日の野菜」「食べてキレイになる!美肌レシピ」「野菜美人」のアプリケーション(共にソフトバンク クリエイティブ社)、監修:「日本のおいしい食材事典」(ナツメ社)など。現在、日本栄養士会、日本国際薬膳師会、三鷹地域活動栄養士会の会員。元東京栄養士薬膳研究会副代表。元東京都栄養士会幹事。元三鷹地域活動栄養士会会長

①薬膳に興味をもたれたきっかけはありますか?
20年前の料理実習参加者の一言です。「自分は◯◯の不調があるので、何を食べたらよいか教えてほしい」との希望、栄養素を説明するのではなく、薬膳のように不調と食材が連動していることが答えになると思いました。また、35年前に米国人の文化人類学の教授からの質問で、中国医学(陰と陽)について知っていれば教えて欲しいとの依頼、私は米国人が知りたい中医学の知識が無かったため期待に添えなかったですが、それが中医学に興味を持ち初めたきっかけです。
②学校や地域で講義の具体的な内容は何ですか?
国際薬膳師としては、依頼を受けた団体やグループを対象に、希望される薬膳の講義と料理実習用のレジュメを作成しています。五味五性の中医薬膳学は食材選びが分かりやすく、毎日の料理が楽しくなるように工夫しています。管理栄養士としては、それぞれの資格講座で教科書を使用し、若い方を中心に栄養学と食品学の講義をしています。管理栄養士の資格がなくても食育の指導者として活躍できる人の育成も行っています。また2つの市の保健センターでは、市民を対象にフレイル予防や骨粗しょう症予防など病気予防の観点からの講話と料理実習をしています。
③International Distinguished Service Awardはどんな賞ですか?
多くの著書を出され監修もされていますが、人生100年時代、伝えたいこと、これだけは
続けたい事ありますか?
International Distinguished Service Awardはアメリカ人以外の人が対象で、ミズーリ州立大学で学んだことを実際の仕事に活かして顕著な成果を上げた人に与えられるものです。
「食べることは生きること」と言われますが、「人生100年」が現実のものとなっている現在、「食事の大切さ」を伝えていきたいです。講話や料理実習を通して、難しい薬膳学や栄養学を分かりやすく説明するようにしています。また、同じ市内や町内に住む高齢者や年齢が近い人と親しくすることは続けたいと思っています。
④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
苦瓜(ゴーヤ)。多くの家庭では、暑い夏に向かって苦瓜の栽培で「緑のカーテン」を作っています。太陽が照りつける日は、日除けになります。また身体にこもった熱を冷ます作用があるので、料理にして食べれば熱中症や夏バテ、暑さによるイライラから開放される食材なので、お勧めです。
⑤今後はどんな未来図をお持ちですか?
「100歳まで健康に生きる」を目指しての活動に取り組んでいます。フレイル予防の3本柱である「食べる・歩く・しゃべる」を「おいしく食べる・楽しく歩く・仲良くしゃべる」に変更して、この活動を広げたいと思っています。遠くの親戚や旧友との交流も大切ですが、元気なうちに地域でのボランティア活動を通して積極的に外出し、地域の友人を増やし、市の高齢者サービスも知りたいと思っています。今後はレストランや旅行先での食べ歩きに加え、行ったことがない町での散歩や音楽鑑賞などもしたいです。 |