薬膳インタビュー           No.046 

大須賀道子さん










プロフィール:東京都三鷹市在住、北海道生まれ。学生時代に栄養学を学び管理栄養士取得、卒業後、百貨店勤務、オリジナルギフトの提案部署など担当。出産子育てを経て、母子栄養に興味を持つ。地域の保健センターで乳幼児や妊産婦講習会の事業に関わり、また保育園で栄養士業務を経験。その後病院で乳幼児健診、外来の栄養相談を中心に仕事をする。管理栄養士、西東京糖尿病療養指導士、在宅訪問管理栄養士、国際薬膳師、日本国際薬膳師会理事

①薬膳を勉強するきっかけは何ですか?
薬膳を学ぶきっかけは、東京栄養士薬膳研究会の薬膳理論、実習を学ぶ教室に同じ地域でお仕事をさせていただいている先輩と同僚から誘っていただいた事が最初でした。そこで薬膳で使用する食材、食薬、初めて目にするものも沢山ありましたが、日頃自分も口にする食材の各々に効能があり、季節、体質などによって使い分けることができる事、また、多いものは出す、足りないものを補うという現代栄養学とは違った視点でシンプルな考え方に惹かれました。

②乳幼児健診や外来の栄養相談で気を付けていることはどんなことですか?
母子の健診事業は、1か月から就学時前までのお子さんの食事状況、生活など伺います。その月齢、年齢ごとでポイントは違ってきます。特に1カ月健診は産後間もなく、育休などを取られて家族でお子さんの育児に関わる方が多くなっているように感じます。ただ妊婦さんの出産年齢が上がって、サポート側のご家族の年齢も上がっています。一生けん命頑張っているお母さんへの労いを心がけています。授乳がスムーズにいく方法といったご質問などいただくこともあります。外来の成人の栄養相談では本当に様々な病態の方のご相談があります。お一人ずつお話をうかがっていく中で、体の不調のある部分とお話されるご様子や感情との関連もふと感じたりします。

③薬膳をどのように活かしていきたいですか?
直接薬膳を活かしているとは言いにくいのですが、それでも間接的にその方の様子から判断をして肌や爪の様子から関連する体の場所を想像したり、習ったことをあらためて納得することも多いです。病院に来られて栄養相談される方、病状が進行されていることも多く、もっと何かできることはなかっただろうかと思うことがあります。医師の先生や患者さんも栄養に期待して、栄養相談に来ていただいているとも思うので、少しでもお役に立つことがあれば本当に嬉しいと思います。薬膳をご存じない方には、まず、具体的に食材をご提案、また調理方法は特別な方法でなくても良いこと、美味しく食べていただけることをお伝えし、興味を持ってくださったら、体のメンテナンスができる事も加えて、お伝えしていけたらと思います。

④食薬同源、おすすめの食薬を教えてください。
ビーツをお勧めします。養血作用 活血化瘀、ポリフェノールによる抗酸化作用など女性に嬉しい働きが沢山あります。ほんのり甘みもあり、お料理はボルシチが有名で自然界の色ですが、本当に鮮やかな赤いおいしいスープです。

⑤今後どんな未来図をお持ちですか?お休みの日の楽しみは?
今後の事は、まだざっくりなのですが、年齢の高い方中心の栄養に関わっていきたいと考えています。年齢を重ねると粗食で良いと思われている方も多く、食事が朝昼兼用など欠食されたり、おにぎりだけ、おそばだけなど単品メニューになってしまっている方も多いように思います。健康で長寿のカギは、早寝早起き、3食食べられて、運動習慣のある方、自分の日々の生活に楽しみを見つけてストレス発散が上手な方がお元気でいらっしゃると感じます。薬膳、現代栄養学のそれぞれの視点で考えられるようになりたいです。その方の生活背景などきちんとうかがって、必要なこと取り入れやすい方法、自分だけの判断でなく、他の専門職の方とも連携しながら、サポートを提案できるように力をつけていきたいと思います。お休みの日に一番楽しみにしていることはカフェや飲食店の食べ歩きが好きです。食事を作って出していただけることも幸せを感じますし、自分で見つけられないおいしい食材、調理方法など刺激をいただきます。

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