薬膳インタビュー           No.043 

坂本美樹さん










茨城県在住。保育園、病院で栄養士として勤務。病院勤務時に理想と現場のギャップに疑問を持ち始めていた頃、マクロビオティックと出会う。学びを深めていく中で、ご縁のあったヨガの学びも深めていく。その後はスーパーマーケットに勤務し、メニュー提案や食育活動を行う。結婚後はヨガインストラクターとして活動。妊娠を考えるようになり、改めて自分の心身の状態を見つめ直す中で薬膳と出会う。現在は子育て中心の生活。コロナ禍ということもあり細々ながら、中国茶店で薬膳ランチ付きヨガ(休止中)、少人数制のヨガレッスン、季節に沿ったヨガと薬膳教室を開催している。栄養士、国際薬膳師、ヨガインストラクター

① 薬膳を始められたきっかけを教えてください。
私は以前、流産という辛い経験をしました。もともと健康管理や食生活には意識を向け、適度な運動や心身のバランスをヨガで整えながら過ごしていたので、お医者様から母体の問題ではないと言われても、やはりショックは大きかったです。でもその時は、また授かることを信じて前向きに過ごしていました。しかし、月日が経つにつれて、言いようのない不安や焦りがうまれ、アロマやよもぎ蒸しなど良さそうなことを試しながら模索していた時、近所で薬膳教室があることを知り通い始めました。学び始めると、これまでの学びや私の経験が一つに繋がっていくような面白さ、もやもやが晴れてその先へ導いてくれるような奥深さがあり、もっと詳しく学んでみたいと思いました。

② 中国茶店で薬膳ランチ付きヨガを教えてられたそうですが、どんな内容ですか。
お店の方にテーマに沿った薬膳ランチを作っていただいております。セットの中国茶は、ご自分の体調やお悩みに合わせて、ご自分で選んでいただいております。これまでは、季節や産後ママ向けの内容で実施しました。
ヨガの歴史はたいへん古く、古代インド哲学が起源とされています。また、ヨガ哲学にはたくさんの教えがあります。心身の訓練法であり、生き方であると私は思っています。ヨガの教えの中では、心、体、精神は全て一つに繋がっていると考えられております。中医学の考え方とも通ずるものがあり、特に陰陽五行論は自然界や人体との繋がりが分かりやすく興味深いものです。レッスンでも、呼吸、動き、エネルギーなどに陰陽(静動)を取り入れ繋げるようにしたり、例えば、春ならば肝の経絡を意識したり、春に起こりやすい症状を改善できるようなアーサナ(ポーズ)やストレッチなどを多く取り入れてシークエンスを組み立てるようにしています。

③ 季節に沿ったヨガと薬膳教室を開催されるときは、どのような事に気を使われますか。
参加者様はご年配の方が多く、土地柄ご自分でお野菜などを育てている方も多いので、手に入りにくい食薬などは使わず、旬の食材やスーパーなどで手に入る身近な食材を使うようにしています。私にとって「食」は大切な土台の部分です。毎日の食事作りにおいては、身土不二、一物全体、陰陽調和など薬膳やマクロビオティックの考え方を基本に、質を重視することを心掛けています。時には疎かになってしまうこともありますが、柔軟な考えで心にゆとりを持って「食」を味わい楽しむことを大切にしています。皆さんにも食の重要性を分かりやすくお伝えできるよう心掛けております。

④ 食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
おすすめの身近な食薬は豆乳です。そのまま飲むだけでなく、様々なお料理やデザートにも使い勝手が良いので常備しております。

⑤ 休日はどのように過ごされますか?また今後はどんな未来図をお持ちですか?
まだ子どもが小さいため、自分の自由となる時間が今はほとんどないのですが、公園に遊びに出かけたり一緒にヨガレッスンに行ったりしています。
どなたにとっても中医学や薬膳が身近なものになったらいいなと思います。自分自身に寄り添いバランスを取りながら、心身の健やかさを保ち、より豊かな人生を楽しんでいけるようになることを願っておりますし、私の学びや経験が微力ながら近い将来活かせる機会を目指していきたいと思っております。

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