 工藤陽子さん
埼玉県ふじみ野市在住。IT企業、建設技術開発会社勤務。第二子が食物アレルギーのため、完全除去食で子育て。子育て終了後は食品会社で商品開発にも携わる。料理教室を主催(現在は終了) 。その頃薬膳と出会い、本草薬膳学院に入学。国際薬膳師取得後、本草薬膳学院に勤務。国際中医師、国際薬膳師、国際薬膳調理師、食品衛生責任者、食生活アドバイザー、冷凍生活アドバイザー、豆腐マイスター等。

①薬膳を始められたきっかけは何ですか。
料理教室を開催するにあたり、各国の料理を研究していた時に、薬膳を知りました。ちょうどその頃、主人が健康診断で血圧とコレステロール値が高く、医師からも食生活を改善するよう言われてました。また、高齢化が進む中で、自分自身そして大切な家族や友達共に元気で長生きしてほしいと思った事です。薬膳の理論、知識を家族の為に、そして料理教室で多くの人に伝えていきたいと思い始めました。
②アレルギー体質のお子様が、年々増加傾向にあります。薬膳やグルテンフリーやアレルゲン
フリー食材を使用した料理、保存食などをどのように摂るか、アドバイスはありますか。
アレルギーは個人差が大きいと思います。二女の場合は乳児期よりアレルギー症状がありました。母乳育児だった事もあり、まずは私の食事から完全除去食を始めました。私が食べたものが娘の身体を作る事への責任の重さを感じておりました。二女はいわゆる三大アレルギーの小麦粉、牛乳、卵が全くダメで、関連する牛肉、乳製品、鶏肉の摂取も全てやめました。
醤油にも小麦粉が含まれているので、我が家ではひえ醤油や粟醤油を、鶏肉の代わりにカエル肉を使っていました。ひえ醤油は煮物料理に合います。当時はカエル肉料理を作る時には涙が出ましたが、薬膳を学んだ今なら喜んで笑顔で作れる自信があります!
商品の成分表を見ると、食品添加物の多い事に愕然とします。アレルギーの人にはもちろん、健康的な食卓には添加物は避けるべきだと思います。出来るものはなるべく自分で手作りを始めました。たくあんをつくったり、米粉でパンを作ったり。特にお米には大変お世話になりました。餅をついて、薄くスライスして乾燥させてからお煎餅。干し網も大活躍で、野菜はもちろんの事、フルーツ、魚などいろんな保存食作りにもチャレンジしてみました。完全除去の食事を始めて、アレルギー症状も全く出なくなり、あとは子供の成長とともに腸の器官も発達していくと少しずつ食べられる食品も出てきました。小学校に入学する頃には何でも食べられるようになりましたが、二女が大人になった今でも出来るものは自分で作って料理してます。
③国際中医師や国際薬膳師、他にも多くの食に関わる資格をお持ちですが、いろいろなことに
挑戦されている情熱の原点は何ですか?どのようにお仕事に役立てていらっしゃいますか。
食に関する資格をいろいろ取りましたが、原点は家族の健康です。とりわけ薬膳は食材へのアプローチの考え方が違い、どの資格とも全く異ってました。もっと学びたい、もっと、もっとといわゆる沼にズッポリはまってますね。私が通ってきた道は、これから薬膳を本格的に学びたいと考えてる人と同じだと思います。薬膳を学ぶ為の学校選びの悩み、薬膳を学び始めて感じる学習の壁、それを理解出来た時の喜び。学院に来られる方、一人一人のお話を聞き、私の経験を伝えてあげれたらと思います。また、私がこれから進んで行く道は先輩方が通った道。先輩方のアドバイスをいただき自分の中に取り入れて、これから続く後輩達により良い道作りになれば、そんな風に仕事で生かせればと考えております。
④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
私のおすすめはカルダモンです。いろんなものを手作りしてるうちにどんどん増えていくスパイスの山。スパイスの中でもカルダモンの香りが特に好きです。歴史の中でも、カルダモンを噛んで口臭予防に使ったとされてたようです。カルダモンとオレンジや蜜柑(気候に合わせて使い分けてます)と煮詰めて、お肉にかける爽やかなソースを作るのが好きです。
⑤今後はどんな未来図をお持ちですか?
私自身、更なる中医学の学びを継続していき、本草薬膳学院の理念を多くの方にお伝えできるようになりたいと思っております。 |