薬膳インタビュー           No.025 

池田佳代さん










香川県高松市在住。20数年勤めた(株)ワカヤ洋品店から独立起業。アパレル販売代行業・薬膳講師として「佳杜」を屋号に活動。四国医療専門学校非常勤講師として「中医薬膳」の講義を未来の鍼灸師達に指導。ストレス社会を生きる現代人に五行理論に基づいたオリジナルブレンド茶「香花茶」を考案。2年前に「365@是好日」という薬膳茶の個人カウンセリングのお店を立ち上げる。(現在店舗はクローズ)中医学の「三因制宜」という考え方から一人一人と向き合うことを重視。経営理念「あなたらしく輝く未来へココロとカラダをつむぎます」をモットーに、人の生活の基本「衣食住」の衣と食を扱う服食薬膳師として活躍中。国際中医師、国際薬膳調理師、アロマ検定1級。


①アパレルトとともに薬膳をされたきっかけは何ですか?
「時代を読む」「顧客をつくる」「スタッフ育成」の三本柱がアパレル業界には必要だと思っています。店長はバイヤーも兼ねているので、年間売上予算→計画・仕入→販売の流れになるので、顧客をつくる事が売上に直結しますし、お店全体の顧客像を把握する必要もありました。又、お客様やスタッフの要望ばかりを聞きすぎても店づくりがぶれてしまいますので「物(商品)・人(スタッフ、お客様)・器(店舗)」のバランスを考える必要があります。
アパレル業界で10年位経ったころ、女性の社会進出と共に、顧客様が「不定愁訴」を訴え出し、「長年お付き合いのあるお客様に服を売るだけでなく何かできないのか?」と考えたのがきっかけです。私自身も20代前半に病気を立て続けに発症した経験もあり、薬膳や漢方に興味があったので勉強を始めました。

②「365@是好日」(にちにちこれこうじつ)の薬膳茶の個人カウンセリングとは、
 どんなことをされているのでしょう?

お客様一人一人に寄り添い、その人の不調がどこから生まれているのか、抱えている悩みや生活環境などもお聞きしながら、その人に合わせて養生法をアドバイスしたり、オーダーメイド薬膳茶をブレンドしています。人生相談みたいなところもありますが、カウンセリングは一番気を遣う部分です。心掛けている事は、ご相談者がリラックスして話しやすい雰囲気をつくり、ご本人が気付いていない事や視野をどう広げてもらえるかです。

③お仕事では、中医学の「三因制宜」という考え方を重視されているようですが、
 具体的にはどのようなことですか?

「三因」(さんいん)とは、「季節による・地域(住んでいる場所)による・人(体質や年齢、性別)による」の三つことで、「制宜」(せいぎ)とは、それらを考慮しながら適正な薬膳や漢方薬、鍼灸治療など治療・養生を決定するという考え方がです。
人の生活の基本「衣食住」と中医学の「三因制宜」の考え方には通じるところがあり、アパレル業界でも気温や生活環境により売れる物が全く違う事があり、薬膳を学びお客様一人一人のライフスタイルが違えば養生をアドバイスする上でもその違いを大切にしていくことはポイントです。
春は、季節の変わり目で朝夕の気温差や、一年間で最も生活環境変化がある季節でもありストレスがかかりやすく体表を守り外邪の侵入を防ぐ衛気(えき)の作用が低下する事でカゼを引きやすくなるので、気温変化に応じて羽織ものやストールなど衣類で調節することをお勧めしたりと、季節やお客様のライフスタイルに合わせ薬膳で内側から整え、衣類で外側から調節する方法をお伝えしています。

④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
最近は目の前でモンブランクリームをデコレーションするのが流行っていますが、食薬として秋冬の定番素材「栗」が原材料です。栗の渋皮にはポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれ収斂作用があり、口の中に含むと強い渋みを感じるのが特徴です。冬の三か月「閉蔵」の期間はエネルギーを貯めこみ漏らさないために、この渋味や酸味などの収斂作用を使います。

⑤今後はどんな未来図をお持ちですか?
弊社経営理念「あなたらしく輝く未来へココロとカラダをつむぎます」に基づき「食で内側、衣で外側」を整えお客様一人一人が本来持っている能力を発揮出来る様にサポートする。又、アパレルと薬膳を融合した人が集えるショップをつくる予定にしています。

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