薬膳インタビュー           No.021 

佐川万里子さん










千葉県在住。航空会社で客室乗務員として35年間勤務。当時珍しい「ママさんCA」の走りとして仕事と育児を両立しながら仕事を続ける。海外勤務では長期出張も多く、寂しい思いをさせた家族と仕事の疲れや体のメンテナンスも考え早期退職を決意。友人の勧めで得意だった料理の道に進む。調理師免許取得後、「本草薬膳学院」にて薬膳を学び「万里庵クッキングサロン料理教室」を自宅にオープン。その後「薬膳ごはん万里庵カフェ」として飲食店も併設。現在は近隣の複合ビル内で「おばんざいデリ万里庵キッチン」を運営。国際薬膳師、調理師、ワインソムリエ



① 調理師免許を取得されてから、さらに薬膳を学ばれたとのことですが、
  動機を教えてください。

調理師免許を取ったら、料理教室を開きたいなあと漠然と思っていました。しかしそれまで調理を仕事とした経験が無い私が何を教えられるだろうと悩みました。そこで料理の中でも何か特別な分野に絞った方が良いのではと考え、探しているうちに「医食同源」(食薬同源)という言葉にひかれ薬膳を勉強しようと思いたちました。中国や韓国では、普段の食事に当たり前のように薬膳の知識が生かされていて、それも老若男女に浸透していたのも興味をそそられました。

② 海外勤務での異なった食生活に、どのようなことを感じていられましたか?
一か所の滞在期間がせいぜい一泊か2泊で移動を繰り返す仕事でしたから、頻繁に異なる国の異なる食事をしていました。加えて長時間の移動、時差・気候の違いから体調の維持はかなり難しく、現地の食事が受け付けられず、持参したレトルトなどの日本食で済ますことも少なくありませんでした。もちろん「あそこにいったらアレを食べたい!」という料理も沢山ありました。でも自宅で同じ料理を再現しても何かが違う。野菜も味が微妙に違う。それは土の違いや気候の違いなのでしょうか?ローカルフードはそこで生まれ育った人の体質や体格に合っているものでそれを違う場所で同じように食べても味わいがなぜか違う。そのことを漠然と感じていました。

③ クッキングサロン、薬膳ごはん万里庵カフェ、おばんざいデリも経営されていますが、
  3つの業態それぞれのメニュー開発は、どのようにされていますか。
  コロナ渦で大変な状況と思いますが、どのような思いでしょうか?


・クッキングサロン
薬膳料理教室(現在休業中)。毎回テーマ(季節・体質など)を決めレシピを作成。身近で買える食材が中心。
・万里庵カフェ
薬膳ランチレストラン(予約制)(現在休業中)一か月ごとにメニュー更新。前菜3品、メイン、ご飯、汁物、デザート。比較的年齢層高い顧客中心。季節・体質にあったメニュー。体調に合わせメニュー変更可。
・おばんざいデリ 万里庵キッチン
イートインとテイクアウトの店。幅白い年齢層。薬膳を知ってほしい願いからオープン。メニューは「万里庵カフェ」のレシピ応用。

昨年から1年近くコロナ禍の中で、飲食店をやってきました。一旦は諦めようかと思っていたのですが、すでに料理教室とカフェは閉じていましたので、緊急事態宣言の間はお弁当販売をしながら様子を見ていました。解除後のお店オープンも当然のことながら、事業計画通りにはいきませんでしたが、顧客の方たちの応援もあり徐々に売り上げも伸びていた矢先、第2波の緊急事態宣言が発令され、経営の厳しさは増しています。ただ救われるのは、スタッフの頑張りとお客様の励ましです。コロナ禍で、これほど人との接触を制限される世の中でありながら、他の人との繋がりを身近に感じられるとは!今さらながら、人は一人では生きていけないと実感しています。

④ 食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
 身近な食材でしかも安価「韮」をおすすめします。お店では 鶏のから揚げにニラと生姜と白胡麻で作ったタレを添えています。冷え性の人には、ほうれん草の代わりにお浸しにしても美味しいです。

⑤ 今後はどんな未来図をお持ちですか?
コロナ禍で、なかなか経営も厳しいこの頃ですが、もっと薬膳を広めて身近なものにしていきたいと思っています。またお酒が好きなので、薬膳バルもやってみたい。

おばんざいデリ 万里庵キッチン
佐倉市ユーカリが丘4-1-4 ユーカリプラザ1F
(ユーカリが丘北口徒歩1分)
Open 10:00~20:00
Close 毎週火曜日
TEL  043-308-3186
駐車場:ワイパーク(北口)3時間無料

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