 岡里 いづみさん
東京、沖縄に在住。一般企業に就職するも、学生時代より始めたお菓子づくりが忘れられず、仕事をしながら専門学校に通い製菓衛生士取得。武蔵小金井「オーブン・ミトン」小嶋ルミ子氏との出会いからさらにお菓子作りにのめり込み、教室のアシスタントを経て、友人と菓子工房を開店。現在は友人の地元である沖縄にて新店舗営業中。お茶とスパイスの勉強で訪れたインド・スリランカ訪問で、アーユルベーダの健康法に刺激を受け勉強中。国際薬膳師、国際調理師、製菓衛生士、ティーインストラクター

①薬膳とお菓子づくりの接点はどこですか?
お菓子は素材にこだわってこそ美味しい物が作れます。薬膳も同じで食材選びをする時から効能や組み合わせを考えてレシピ作りをスタートしないと薬膳料理が成り立ちません。最初の一歩は食材選び!と言うところが共通点だと思います。また、季節を感じながら作ると言う事も共通です。お菓子作りは大変デリケートな作業で、同じレシピであっても、作り方は毎日工夫が必要です。薬膳も季節を感じながら、毎日つくる料理を変えて行かないと効果が望めません。そういった季節の移ろいに影響を受けると言う事も共通点だと感じています。
②何がお菓子作りにのめり込ませたのですか?
単純に甘い物が好きから始まりましたが、勉強をしていくうちに、その形の美しさ、味のハーモニー、お菓子が生まれた背景や文化等々お菓子を取り巻く全ての物語に惹かれ、夢中で勉強をしてきました。お店での作業は毎日同じような単純作業の繰り返しですが、何十年続けていても、納得のいく物を作る事の難しさがあり、そういった奥の深さがいまだに私の心を虜にしています。
③アーユルベーダの健康法について、どんなところに共感されたのですか?
アーユルベーダはインドの伝統医学に基づいて、自分の体質を知り、それを生かして生活を調えて健康維持をすると言う事を教えています。人の体や心、生きるエネルギーは食物によって作られており、体質や症状に合った適切な食事は、薬より大切であると言う考え方です。
薬膳の考え方と、とても似ているように思えます。また、アーユルベーダには好きな物を幸せな気持ちで頂くのが「良し」と言う考え方があり、その考えが私の思いとマッチしており、アーユルベーダの勉強をしたいと思うきっかけになりました。
④薬食同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
私の身近な食薬は人参です。人参はβーカロテンが豊富で皮膚や粘膜を丈夫にしたり、健康を保つために重要な働きをする栄養素が豊富な食材です。薬膳的にも血を補い目の健康にとても良い食材と言われていますし、なによりマーケットで毎日手に取る事が出来るのでお勧めです。
⑤今後はどんな未来図をお持ちですか?
沖縄のお店での生活が中心ではありますが、食によって沢山の方々に笑顔になって頂けるような活動をしていきたいと思っています。薬膳の知識やアーユルベーダの知識などを生かして、毎日の生活を楽しみながらケアする事を私のライフワークと思って勉強を続けていくつもりです。
また、食というフィールドの中でのボランティアは今後も大切に続けて行きたい事の一つです。明日、食べる物が無い子供たちがいる事も忘れずに、食料を大事に扱っていきたいと思っています。 |