 青山洋子さん
長野県下伊那郡高森町在住、藥壺堂を経営しながら薬膳料理教室、薬膳の普及活動など、多方面に渡り活躍中。国際中医師・国際薬膳師。長野県薬草指導員。薬草に関心があり薬草園で栽培された薬草の一部を料理の素材にして薬膳を実践する。

①どのようなきっかけで薬膳を始められたのですか?
35歳を過ぎたころ、突然アトピー性皮膚炎を発症し、医師には「これは治らないから一生つきあっていくしかない。」という診断に納得できず、いろいろな治療を試みる中で、中医学・薬膳学に出会い現在に至っています。劉(辰巳洋)先生にも、「肌がとてもよくなりましたね」とおっしゃっていただいた時は、勉強を続けてきて本当に良かったと実感致しました。
②「山楂子」を育て広める活動など、多方面に渡って薬膳活動をされているとのことですが、どのような活動をされているのですか?
仲間と一緒に山楂子畑の草取り、剪定、収穫などを行いながら、山楂子をつかった料理・お菓子づくりなどの教室も開催しています。また、地元のJAが主催する女性大学・きらめきセミナーでの講演を始め、各種婦人会での料理講習会、クループや個人で勉強したいという人達の個別教室も開催しています。要望に応じて、薬草の観察会や薬草の利用法なども随時開催しています。
③薬草園で栽培された薬草を料理の素材にして料理教室をされているとの事ですが、どんなメニューですか?
地元にもともとある薬草を活かしたいと思い、山楂子、杜仲葉、桑葉、桑椹、当帰の葉、夏枯草、艾葉、玉竹、黄精、棗、呉茱萸、魚腥草、金針菜、金銀花、ハーブ類など、採取しやすい薬草を中心に用いています。基本的には乾燥して薬膳茶としていただくことから始め、それを用いたスープや煮物なども紹介しています。たとえば、生の山楂子は大変酸っぱいので、ジャムや羊羹のようなものにして食すのが一般的ですが、糖分を気にされる方も多いため、乾燥したものを粉末状にして使うようにしています。肉類の煮込み料理を始め、ドレッシングやふりかけ、パン・お菓子づくりなどにも利用していただけるように、料理教室にてレシピの紹介をしています。
④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
「山楂子」をおすすめします。消食類に分類されていますが、活血の作用もあり、山楂子を買いに来られる中国女性の方のほとんどは、生理痛の予防、対策に利用されているようです。
⑤今後はどんな未来図をお持ちですか?
知名度の低い「山楂子」を、まず皆さんに知っていただくことが最優先課題です。と同時に、商品開発を通して、雇用や特産品といった地域創生につながっていければと思っています。 |