 川端咲子さん
滋賀県近江八幡市生まれ 江戸時代(宝永2年)より続く薬屋で、現在は(株)ダイゴとして主に水環境を守る工業薬品を扱う会社の役員。国際薬膳師、国際中医師、学院認定教室「すみれ薬膳教室」主宰。「新・よむサプリシリーズボケを防ぐ」や「季節の薬膳二十四節気の養生レシピ」の制作にも参加。

①江戸時代から続く薬屋さんはどんなお店でしたか?今も大切に引き継いでいる事はありますか?
私が幼い頃は医薬品卸を主体とする会社でしたが、「口にするもの全て薬である」と言われて育ちました。実際はただただ食いしん坊だった私です・・・。遊んでいると薬棚の袋から「地竜」が飛び出しギョギョッとしたりと生薬も身近なものでした。引き継ぐものは・・・今も社是である「誠実」という言葉です。誠実にお客様に寄り添う人間であれ、ということだと私は理解しています。
②水環境を守る事業をされているとのことですが、どのような関わり方をされているのですか?
滋賀には京都、大阪、兵庫の水源と言える母なる「琵琶湖」があります。そこに流れこむ水がより良いものであり、また、その環境を守る責任があると自負し、「節水、水の再利用、安全な水」にするべく、日々営業しております。
また、近江八幡は豊臣秀次公の開いた城下町で「八幡堀」や「水郷」でよく知られております。湖国の水環境を保全することは、今を生きる私達と次の世代の安心安全を考えることであり、ひいては歴史を繋いで行くことだと思っております。
③身体の健康は薬膳ですが、環境の健康は水がきれいであることからですね?
薬膳を調理する時にも、必要な食材を育てるにも良質な水は必要だと思います。水無しに人は生きていけないのです。また、水は、見た目が透明できれいに見えても、分析をしてみないと何が含まれているかは判断できません。日本においては水道の蛇口をひねれば飲める水が出て当たり前ですが、真の意味で、安全な水は努力して得るという時代になってきているのです。
また、環境問題を語るには浅博な私ですが、日々の生活の中で、環境に良い事とは?良くない事とは?と考え、小さなことからでも実行することがとても大切だと切に考えるようになりました。
④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
「近江牛」でしょうか。お肉といえば、薬膳の講義で、辰巳洋先生が「薬膳にはお肉が欠かせませんよ。なぜなら「膳」という字には羊(肉)が乗っていますからね・・・」と言われたことが
とても印象深く心に残っております。
⑤今後はどんな未来図をお持ちですか?
常日頃、「いただきます!を言う前に、今日の自分(体調)と対話して・・・」を信条として、薬膳の知識を増やすことで、その日その時の自分に合わせた食事を取ることが出来、それと同時に未病対策も可能になる事をお伝えしていきたいと思っております。また学院で学んだ先生方、先輩や仲間にも恵まれ、皆さんの活躍される姿に勇気を頂けている事も支えです。そして最近、本社建物の中に多目的にご利用頂ける小さな空間(すみれラボ)を設けました。そこで、薬膳の教室を一回、また一回と回数を重ねていくことで、まずは身近な人々に薬膳を美味しく楽しみ、健康を維持して頂ければ!と願っております。 |