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「五音養生」をご存知ですか?食べ物で体の調子を整える食養生のように、音楽を聴いて心身の均衡を保つ聴く養生という考え方があります。
これは中国古来の思想に基づいています。「宮・商・角・徴・羽」という五つの音(ほぼドレミソラに対応)が、私達の内臓や感情と深く結びついているというのです。これはら、「木・火・土・金・水」という五行思想とも関連しています。
例えば、「角」の音は「木」に属し、「肝」の働きを整えると考えられます。春の季節や朝の時間帯、緑色とも関係が深いとされます。難しく考えずに、身近な曲で試すなら『茉莉花(モーリーファ)』がおすすめ。中国の有名な古曲で、まさに五音だけで作られていて、最初の「ミ、ミソ、ラドド」という旋律が「角」の音で始まります。この「木」が持つ、上に向かうエネルギーが気分をスッキリさせてくれるから、この曲を聴くと自然と体の力が抜けていくような、そんな感じがするのは、五音養生の理念に照らしても納得できる一曲かもしれません。
食養生と聴く養生を組み合わせると、もっと面白いかもしれません。肝臓に良い食事(緑の野菜など)を摂る際に、『茉莉花』のような「角」の音の音楽をかける。朝、気分がすぐれない時に、緑茶を飲みながら「角」の音の曲を聴いてみる。 視覚(色)、味覚、聴覚――あらゆる感覚から「木」のエネルギーを取り入れることで、より良い影響を感じられるかもしれません。
五音養生は現代医学とは異なります。昔から伝わる生活の知恵のようなものです。しかし「好きな音楽を聴くと落ち着く」「元気が出る曲がある」というのは、誰もが経験したことがあるはずです。五音養生は、その理由を東洋の思想で説明するものと捉えると理解しやすいでしょう。
一番大切なのは、難しく考えないことです。「この音楽は心地良い」「この曲が好きだ」という自分の感覚を信じてください。「今、聴きたい」と思ったら、それがあなたの五音養生のはじまりです。
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蒋寒先生のプロフィール:
北京中医薬大学卒業後、8年間脳卒中および頸髄損傷の治療・リハビリに従事。日本中医協会会員。信条は「学びは自由への道」、中医学の普及と発展のために活動している。 |
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