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「血(けつ)」とは、体内にある赤い液体。生命を維持する基本物質の一つです。身体全体を養い、潤します。脈中を巡り循環することで、精神活動を支えるはたらきをします(寧静作用)。血が充分にあって滞りなく循環していれば、意識は明瞭に保たれます。精神・意識の状態はその人の「血の在り様」を反映し、血が不足したり血が熱を帯びたりなど、血の状態に異常があるときは精神・意識にも異常があらわれます。例えば、「血の不足(血虚)」がある場合、ボーっとしやすく、もの忘れ、不安感、不眠などの症状がでたり、「血が熱を帯びる(血熱)」の時には、イライラして怒りっぽい、せっかち、不眠などの症状があらわれます。また、悩みごとが多いと、血が消耗されて「血の不足(血虚)」を招き、ストレスや不満が多いと、「気が滞ること(気滞)によって血の滞り(血滞)」を引き起こします。
体を温める気は「陽」に属し、体を潤す血は「陰」に属します。その相互の関係は、「気は血の帥(気為血帥)気は血の管理者」気が血を生み、血を循環させ、血を固摂します。また、「血は気の母(血為気之母)」血は気を運ぶ媒体であると同時に、気に栄養を与える働きがあります。形のない気は、血などの有形のものに寄り添うことで存在することができるのです。形の有るものの中に、形の無いものが宿り、人間の生命が営まれています。
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執筆者:冬木れい 国際薬膳師 料理家
参考文献:
『全訳 中医基礎理論』戴毅(監修)、淺野周(翻訳)、印会河(主編)、張伯訥(副主編)たにぐち書店
『中医学って何だろう』①人間のしくみ 小金井信宏著 東洋学術出版社
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