「気」は身体を構成する「物質」であり、また「活動性、運動性をもったエネルギー」です。喩嘉言(ゆかげん)の『医門法律』(1658年)には「気聚則形存 気散則形亡=気が聚まれば形となり、気が散れば形が亡くなる。」とあります。身体のさまざまな生理活動は、「気」の働きが中心になっておこなわれており、この気の流れ方のことを「気機」と呼びます。気のエネルギーは昇ったり降りたり、出たり入ったり、「昇降出入」をしています。昇降とは「上下の運動」、出入とは「表裏の運動」を表します。気は、「昇降」の運動で頭の上から足先まで、「出入」の運動で表(皮膚)から裏(内臓・骨)まで気をめぐらせ、全身の組織・器官・細胞にまでくまなく行きわたらなければなりません。人の気は絶えず昇ったり降りたり、出たり入ったりし続けることで、「上下」「内外」のバランスをとっています。気の昇降出入運動のバランスがとれていることを「気機調暢」といい、昇降出入のバランスの崩れを「気機失調」といいます。気機失調には、気滞(気の滞り)、気逆(気の上昇が激しい)、気陥(気の下降が激しい)、気脱(気が抜ける)、気結(気が体内で凝りかたまる)などの状態があります。気機調暢(ききちょうよう)の状態を保つよう気の流れを整えていきます。
執筆者:冬木れい 国際薬膳師 料理家
参考文献:『医門法律』 喩嘉言 人民衛生出版社
     『全訳 中医基礎理論』 戴毅(監修)、淺野周(翻訳)、印会河(主編)、張伯訥(副主編)
     たにぐち書店

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