滋陰とは、精・血・津液などの身体に必要な陰液を補い、内臓を滋潤することをいい、潤燥とは、特に身体の乾きの状態を改善する治療法です。 今年は、暖かい秋から急に冬となりました。空気は乾燥し冷えが一段と増してきます。この季節の邪気である涼燥は、秋の乾燥の上に冬の寒気が加わるという特徴があり、皮膚や毛髪、喉などが乾燥しやすくなり、感染症にも罹患しやすくなる時期になります。身体は冬とともに陽気や陰気を臓に収め、気を蓄え始めます。乾燥や寒さに体力を奪われぬよう、滋陰潤燥の養生をしましょう。
滋陰潤燥によい食薬に鶏卵があります。性味は甘、帰経は肺・心・脾・肝・腎、効能は滋陰潤燥・養血安神です。特に、卵黄の性味は平で、血と津液を増やし、卵白の性味は涼で、肺の熱をとる作用があり、一物全体を食すことで両方の効果が得られます。鶏卵は、五臓全てに働き身体の様々な部位を補い、母乳の次に栄養価が高い完全栄養食と言われています。潤いを与え渇きを癒す力に優れ、呼吸器を潤おしのどの渇きや痛み、から咳を和らげます。豊富な栄養バランスで、「血」を養い精神を安定させる作用もあり、不眠やめまいに効きます。最近では、豊富に含まれる必須アミノ酸が、ボケ防止やフレイルやサルコペニア防止に効果があると言われています。

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