養血安神とは、心血虚によって神志を養うことができず、神志不安の精神的症状と睡眠障害を起こす時などに、血を養い精神を安定させる治療方法です。主に顔色が蒼白・唇が白い・心悸・不眠・多夢・めまい・不安などの症状の時に用いられます。5月は暦では立夏となり、夏に向かい陽気が盛んになり心の機能が活発となります。心は感情・意識や循環器を司るため、安定させることが大切です。血を補い心気を養い精神を安定させるよう、養血安神をしてゆったりと過ごしましょう。5月病といわれる精神不安からの心労にも効果があります。
養血安神に良い食薬に棗があります。性味は甘/温、帰経は脾・胃、効能は補益脾胃・養血安神であり、生薬名は大棗(たいそう)といい上品に分類されます。栄養豊富で、現代では女性の美しさは棗で叶う!スーパーフルーツと言われています。鉄分やカルシウムが多く、更年期のイライラや、骨粗鬆症の予防に。葉酸(プルーンの50倍あり)やナイアシンなどのビタミンB群、亜鉛・カリウムなどのミネラル、食物繊維などは、貧血や精神不安、妊娠、更年期など女性が抱えがちな症状の改善に。その他、パントテン酸はストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの働きを促し、リラックス効果が期待されています。「女子は血をもって本を成す」といわれますが、棗は甘味もおいしく健康女性の強い味方となるでしょう。 |