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Vol.025 黛 久乃さん
プロフィール:幼少期は東京都の多摩地域で過ごす。家族で山に親しみ、成人してからは海にも憧れ、5年間沖縄県八重山諸島に住む。結婚を機に関東近郊へ移転。趣味はスキー、ボルダリング、シュノーケリング、山歩き、野鳥観察。管理栄養士、健康運動指導士、国際薬膳師。学びを深めるため研究科コース受講中。

私の薬膳自慢は、薬膳を日常に無理なく取り入れられる、
ささやかな一粒を提案できる環境があること。
食育と薬膳
現在、学校栄養職員として、給食を通して食育活動を行っています。子どもたちの食事の中心となるイメージの学校給食ですが、実際は1日3食のうちの1食で、夏休み、冬休み、春休み、その他休日を差し引き計算すると、1年間にとる食事の1/6程度です。そのため昼間の活動に必要な栄養素をまかなうだけでなく、家での食事のとり方や、将来につながる栄養知識を見据え、季節の食材、行事、日本や他国の文化など、伝えなくてはならないことは多岐にわたり、給食はその教材としての役割もあります。
業務では献立も担当しており、その中で薬膳の知識を役立てています。日本でも古来より中国から伝わった二十四節気や行事食が残っています。季節と食薬の知識を学んだことで、アイデアの引き出しが増えました。また食は生活習慣ですので、同じことを繰り返し伝えることも大切です。毎回同じになりがちな内容でも、ときに薬膳の視点を盛り込むことで、目先がかわり新鮮に伝えられるように感じます。
給食時間に毎日、放送委員の子どもたちに読んでもらっている原稿から一部ご紹介します。

自分が放送で話すときも原稿を用意し、偏った表現にならないよう配慮します。例えば「薬膳では牛乳は『腸をうるおし調子をととのえる』とされますが」などと説明しています。日ごろ使用している食材を組み合わせて、季節の変わり目に取り入れたいメニューを考案します。「鶏肉のしょうがスープ」をご紹介します。
薬膳との出会い
体を動かすと体調が良いため、週末・週中の運動は趣味ともなっていますが、もともとタフなほうではなく、そのうち一人でできたり、夫にペースを合わせてもらってできるアウトドアスポーツが中心になりました。
それが数年前に、疲れやすくなったり、極端に暑さに弱くなったり、山歩きをしているときに気持ちが尖ったりといった症状が出始め、年齢的に更年期かと思い婦人科を受診しました。処方された漢方薬がとてもよく効き、日常でも感じる体調不良に困り果てていただけに感銘を受け、中医学につながる薬膳の勉強をし始めました。夏の養生の調理実習では、受講後、宿泊先に戻るときに、すっきりと汗をかき気持ちよかったのを覚えています。
しかしその数か月後の人間ドックで、病気を持っていることがわかり、入院・手術をすることになります。栄養士の自分が…と落ち込みました。けれど病気はさまざまな要因が絡み合っています。普段から食生活に気を付けていたからこそ、術後の回復が早かったと考えをシフトすることにしました。また体調の悪い時期があったことで、薬膳の効果を体感することができたとも言えます。
私の薬膳自慢
食への感じ方はさまざまです。多くの人には人生を送る上では脇役かもしれません。私が自慢できることを挙げるならば、薬膳を日常に無理なく取り入れられる、ささやかな一粒を提案できる環境があることです。一粒がいつしか万倍となり、世の中が人生を楽しんでいくのを支え貢献していけることを夢見ています。
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