ミートローフは我が家の定番メニューです。いつもの食材を梅雨時の薬膳レシピにアレンジしてみました。脾胃への負担を考えて鶏むね肉を使い、食感が柔らかくなるように、また補気の目的もあり長芋を加えました。調味料を混ぜて焼いているのでソースなしでいただけます。紫蘇と一緒なのでさっぱりしています。型に入れて、あとはオーブン任せ。簡単で失敗なく作れます。材料を倍にすれば18㎝のパウンド型でも大丈夫です。


「脾」の機能を高める薬膳

考案:大柳成子
使用した文献:食薬学(教科書)
アドバイス:日本国際薬膳師会認定部(写真、レシピ等の転用禁止)

素材名:鶏肉、玉蜀黍(とうもろこし)、長芋、 
    はと麦、大豆、陳皮、紫蘇、生姜


補脾袪湿
(2人分)
鶏肉(胸ひき肉)・・・・・・・
長芋・・・・・・・・・・・・
大豆(水煮)・・・・・・・・
はと麦・・・・・・・・・・・
玉蜀黍(缶)・・・・・・・・
葱・・・・・・・・・・・・・
生姜・・・・・・・・・・・・
紫蘇・・・・・・・・・・・・
陳皮・・・・・・・・・・・・
<調味料>
酒・・・・・・・・・・・・・
醤油・・・・・・・・・・・・
砂糖・・・・・・・・・・・・

200g
50g
20g
10g
20g
20g
5g
3g(3枚) 
3g

大匙1/2
小匙2
小匙1

1. オーブンを200度に予熱する。パウンド型容器(10×7×6)にクッキングシートを敷く(肉汁が出るので切り込みを入れない)。
2. はと麦と陳皮は各々かぶるくらいのお湯に浸し、柔らかくなったら水を切っておく。(はと麦が柔らかくならないときはレンジにお湯ごとかけても良い。)長芋はすりおろす。生姜、葱はみじん切り。とうもろこし、大豆の水を切る。
3. 紫蘇を千切りにする。
4. 鶏ひき肉と葱、生姜を良く混ぜ、粘りが出てきたら他の陳皮以外の材料と調味料を加え更に混ぜる。型に入れ平らにする。水を切った陳皮を上にのせる。少し押し込む。10㎝位のところから型ごと落として空気を抜く。オープンで30分位焼く。途中20分でアルミホイルをかぶせる。
5. 竹串を中心に刺して焼けていることを確かめる。型から出してアルミホイルをかぶせたまま粗熱をとる。その後、紙をそっとはがして切り分ける。
6. 千切りした紫蘇をのせる。
※鶏肉と葱は禁忌ですが、一般的によく使うので、今回使用します。

鶏肉(ひき肉)・・

長芋・・・・・・・

大豆・・・・・・・

はと麦・・・・・・

玉蜀黍・・・・・・

葱白(葱)・・・・

生姜・・・・・・・

紫蘇・・・・・・・

陳皮・・・・・・・
補気類   温・甘/脾・胃
      温中補脾
補気類   平・甘/脾・肺・腎
      補脾養胃
利水滲湿類 平・甘/脾・胃・大腸・肺
      健脾利尿 益胃寛中
利水滲湿類 微寒・甘・淡/脾・胃・肺
      滲湿利尿 利尿消腫
利水滲湿類 平・甘/脾・肝・腎・大腸・胃
      清熱利湿 調中和胃
辛温解表  温・辛/肺・胃
      発汗解表
辛温解表類 温・辛/肺・脾・胃
      発汗解表
辛温解表類 温・辛/肺・脾
      行気寛中
理気類   温・辛・苦/脾・肺
      理気燥湿 調中健脾

梅雨の外因邪気は湿邪で、気の流れを阻害します。重濁性、粘滞性、下向しやすい性質があります。そのためこの時期は脾胃の調子を整える、利水、発汗を促し体内の湿を取り除く食材を摂ることが不調を解消することにつながります。鶏肉と長芋は気を補い補脾の作用、生姜、葱は解表、玉蜀黍やはと麦、大豆は袪湿の働きがあります。利水効果により気も出てしまうので補気類で気を補います。紫蘇は辛温解表に分類されますが気を巡らす働きもあるので使いました。陳皮は理気燥湿作用があるため加えました。梅雨時には寒湿と湿熱があり、寒湿には温性、辛甘、香りのあるものを、湿熱には涼性で苦の食薬を選びます。考案のレシピは寒湿に向く温性の献立です。


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