6月5日は「芒種」(ぼうしゅ)です。「芒」とは、稲や麦などのイネ科の植物の先端にある、とげのような突起の部分のことで、稲や麦などの種まきに適した時期を表します。21日は「夏至」(げし)です。1年のうちで昼間の時間が一番長い日です。日本は梅雨の時期にあたり、夏至を過ぎてからが本格的な夏の季節になります。
七十二候では6月16日~20日頃を「梅子黄」(うめのみきばむ)と言いますが、梅雨入りと同じ頃、梅の実が黄色に色づくことから来ています。梅の主産地は中国の浙江、福建、雲南で日本には奈良時代に薬用として伝わりましたが、「烏梅」(うばい)と言って未熟な梅の果実を燻製にしたものでした。いぶされて真黒だったのでカラスにちなんで呼ばれたと言われています。梅雨(つゆ)という言葉は梅の実が熟する頃の雨という意味です。

◎今回のレシピについて
青森の会員さんから梅雨の湿を取る「菊芋」のレシピが届きました。雪が降る間は農作業が出来ず菊芋の収穫できないため、春から店頭に並ぶそうです。関東地方では6月に入手することが難しいので、菊芋の食感はありませんが、はと麦(薏苡仁:よくいにん)粉で代用しても効果が期待できます。


6月(芒種・夏至)のおすすめ薬膳

考案:鈴木裕子 監修:日本国際薬膳師会認定部(写真・レシピ等の転用禁止)

  素材:菊芋、鶏ひき肉

健脾利湿

菊芋……………………………2~3個(150g)
(はと麦(薏苡仁)粉を代用して使う場合:30g)
鶏ひき肉………………………100g
陳皮……………………………2g
大葉……………………………2枚
生姜……………………………10g
卵………………………………1個
茗荷……………………………1個
[調味料A]
酒………………………………小さじ1
塩………………………………少々
片栗粉…………………………大さじ1
[調味料B]
酒………………………………小さじ1
醤油……………………………小さじ1
[だし汁]
昆布……………………………3g
鰹節……………………………10g
水………………………………200CC
酒………………………………大さじ1
薄口醤油………………………大さじ1
塩………………………………少々
水溶き片栗……………………適量

1. 菊芋は皮をむかず芽の部分を取り除き、1個をあられ切りにし、残りを薄切りにする。酢水(分量外)に軽く浸し色が変わるのを防ぐ。
2. 薄切りの菊芋を柔らかく蒸して、ブレンダ―にかけ卵の半量、調味料Aを加えてよく混ぜ合わせペーストに状にする。
(はと麦(薏苡仁)粉を代用して使う場合は、水と卵を加え耳たぶくらいの柔らかさにこねる。)
3. 陳皮は水で戻し、刻んでおく。
4. 鶏ひき肉に残り卵と、生姜のみじん切り、陳皮、調味料Bを加えて混ぜ合わせ、あられ切りの菊芋も入れてよく混ぜる。
5. ラップに大葉を敷き、2のペースト状の菊芋を円形に広げて置き、その上に4の丸めた鶏ひき肉をのせる。ラップで丸く包み込み、8~10分蒸す。
6. だし汁は、水200CCに昆布を2時間以上つけてから、昆布を取り出して沸かし、鰹節を入れて一番だしをとる。薄口醤油、塩で味付け、水溶き片栗でとろみをつける。
7. 菊芋まんじゅうを盛り付け、6のだし汁をかけて千切りの茗荷を飾る。

菊芋……………………祛湿類 平・甘/脾・腎
          利水祛湿、和中益胃、清熱解毒
(はと麦(薏苡仁)…祛湿類 微寒・甘・淡/肺・脾・胃
          利水滲湿、健脾補肺)
鶏ひき肉………………補気類 温・甘/脾・胃
          補中益気、補精添髄、降気止逆
陳皮……………………理気類 温・辛・苦/脾・脾
          理気健脾、燥湿化痰
大葉……………………解表類 温・辛/肺・脾
          発表散寒、行気寛中
生姜……………………解表類 微温・辛/肺・脾
          発汗解表、温胃止嘔、温肺止咳
卵………………………滋陰類 平・甘/肺・心・脾・肝・腎
          滋陰潤燥、清咽開音、養血安胎
鰹節……………………補気類 平・甘/腎・脾
          補腎益精、健脾利尿
昆布……………………化痰類 寒・鹹/肝・胃・腎
          消痰軟堅、行水消腫
茗荷……………………解表類 温・辛/肺・大腸・膀胱
          発汗解表、散寒通陽、解毒散結

6月は日本では梅雨の時期を迎え、湿度が高くなっています。五気では湿に通じ、五臓の脾に通じます。脾の働きは暖かい環境でスムーズに機能しますが、湿は陰邪で陽気を傷め、気機の流れが悪くなり、特に脾胃の働きが低下しがちになります。気の流れや体内の水分代謝が悪くなり、身体が重だるい、食欲不振、胃もたれ、むくみ、下痢などの症状が見られます。
菊芋には利尿作用があり湿を排泄させるほか、脾胃の働きを整える作用があります。
鶏肉を使い「気」を補うことで、脾胃の虚弱を改善し消化機能を高めます。鰹節の一番だしは、脾の働きを高めると同時に利尿の効果も期待できます。
大葉、生姜は身体を温め発汗による除湿の効果があり、陳皮は気の巡りを良くします。昆布で痰やむくみ、消化機能の促進や湿を取り除き、茗荷の香りを少し取り入れてうっとしい梅雨を爽やかに乗り切りましょう。

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