暮らしの中の身近な食薬
中国で最初の薬学専門書「神農本草経」では、365種類の食薬を使う目的によって分類。元気で長寿を望むとき使うものを「上品」、病気を予防するために使うものを「中品」、毒性強く薬効強く病気を治療するものを「下品」としています。薬膳学が中医学の進歩とともに成熟期に入り、まとめられた書物が李時珍「本草綱目」。食療と薬膳の内容も多く、効能よりも、食薬の持つ性質、味、帰経、食品群で分類され、現代の考え方に近いものとなっています。この両書の分類を参考にしてできた、主編 辰巳洋、日本国際薬膳師会編「早わかり薬膳素材」の「上品、中品、下品」を基に、暮らしの中の身近な食薬を紹介していきます。

 No.  082
食 薬 名  筍
区   分  下 品
分   類  化痰類
性味/帰経  寒、甘、微苦/胃、肺、大腸
働   き  1.清熱化痰
 3.滑腸通便
 4.利尿消腫


筍の原産地は、中国です。日本には、江戸時代に中国から伝わったと言われています。筍の性味は、寒、甘、微苦です。帰経は胃、肺、大腸です。筍は、清熱化痰、解毒透疹、滑腸通便、利尿消腫の働きがあります。
筍は、麻疹のように、ウイルスという「毒」が体に侵入したばかりの初期段階では、その毒を皮膚の表面に一気に押し出して出し切る(透疹)治療の助けになります。一方では、アトピー、蕁麻疹、喘息などの慢性疾患の場合は、体の中に「熱」や「炎症」がくすぶっている状態に、筍の強力な発散作用が加わると、落ち着いていた炎症や痒みを無理やり引きずり出し、再燃させてしまう発物となるため控えます。胃、十二指腸潰瘍、肝硬変、慢性下痢の方は禁忌です。小児は多食しないようにします。
出典:薬膳素材辞典(辰巳洋著) 執筆者:Web部 中島悦子

掲載履歴をみる 〉
︎トップページへ戻る 〉