 大村和子さん
プロフィール:東京都新宿区1940年生まれ、両親の故郷宮城県に疎開、結婚まで東北で暮らす。結婚後和歌山県で暮らし、夫の東京転勤により千葉県民となり40余年となる。趣味で編み物、人形作り、レザークラフト、アートフラワーなど色々経験してみたが、茶道、パン、ケーキと料理が残る。ホームメード協会で資格を取得し講師になる。勤務している時に「薬草」の事を知りたくイスクラ薬局で辰巳洋先生を紹介され、本草薬膳学院の2期生となる。卒業後、先生のアドバイスで薬膳お菓子メニュー作りを行い「薬膳お菓子」を出版。現在学院で「薬膳お菓子と薬膳茶を楽しむ」の公開講座を担当。裏千家茶道教授、国際薬膳師、日本国際師会副会長

①薬膳を勉強しようと思ったきっかけは何ですか?
また、薬膳をお菓子に組み合わせて特化した理由はありますか?
ホームメード協会に勤務していた時、女子栄養大学の先生を顧問に迎えて”ホームクッキングという栄養学を基本にした講座を立ち上げることになりその担当になりました。先生やスタッフとメニュー開発をしましたが、そんな折、辰巳先生との出会いがあり薬膳を学び始めました。和菓子の主な材料は粳米、餅米、小麦粉などの穀類と小豆、いんげん豆他の豆類です。食薬はもちろん生薬の煎じ汁と合わせて和菓子本来のきれいな形や風味を損なわずに仕上げることが出来ます。このことに気づいて薦めて下さったのは辰巳先生で、先生の助言がなければ出来なかったと思います。始めてみるとどんどん興味が湧いて、この米粉に何を組み合わせたらどんな効能のお菓子が出来るかと考えるのが楽しくなりました。

②国際薬膳師会にもご尽力されていますが、今後の会のあり方をどのように
お考えですか?ビジョンはありますか?
ここ数年の世間のIT化のスピードは高齢者にはついていけないと頭を抱えていますが、世の中がそうである以上国際薬膳師会もなお一層のIT化は必然のことになると思います。これからはもっと若い会員が中心になって進めていく会にしていかなければなりませんが、若い方たちが携わるために、どのような改革が必要かですね。来年は設立20周年という節目を迎えます。一回り大きな輪が出来るきっかけになるよう皆で盛り上げていきましょう。
③いろいろと薬膳を作られてきた中で、最も効果効能の高いと思われた薬膳メニューはありますか?どのような症状に対してどのようなメニューですか? 薬膳料理は本来数回食べたから効能が顕著にわかるというものではないと思っています。私自身どちらかと言うと健康で楽天的な性格だと思っていますので、出来るだけ良いと言われているものを手作りして食べるようにしています。
暑い時のお勧めメニューとして「葛きり」をご紹介しましょう。
<材 料>
葛根(本葛粉)50g、水85g(菊花や桑葉などの煮だし汁でもよい)、水飴10g、湯10g、黒蜜(黒糖20g,上白糖20g。水飴10g、水40g) <作り方>
1.黒蜜の材料を鍋に入れて煮溶かし冷やしておきます。
2.本葛粉に水を加えて溶かし湯で薄めた水飴も加えて均一に混ぜ、15×20cm位のバットに
半量を流して沸騰した湯に入れて透明になるまで茹でます。
3.氷水に取って1㎝幅に切ります。残りも同様にします。
4.黒蜜を付けて食べます。
④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。 蓮根です。炒めてきんぴらにしたり煮物、てんぷらなど和食に欠かせないのとでんぷん質が多いので、すりおろして他の材料と合わせて食感もよく繋ぎにもなります。蓮粉もあり和菓子の材料にも使います。
⑤お休みの日はどのように過ごしていらしゃるのですか?大変お忙しいと思いますが、その活力はどこから生まれているのでしょう?今後はどんな未来図をお持ちです?
特に予定がない日は卓球クラブで汗を流しています。以前は友達と食べておしゃべりが結構多かったですが、コロナでその回数は少なくなりました。長年続いている茶道ですが、季節や進み具合によって、種々の道具の入れ替えなど年齢を重ねるごとに億劫になりますが、老化防止と思って楽しんですることにしてます。薬膳和菓子も生徒さんに会うのが楽しみですし、ステップアップ講習会は菅沼先生にお会いできるのが幸せと思います。生きている限りは元気で活動できる状態でいたいと思っています。毎日の食事が何より大事だと思いますね。薬膳で得た知識と栄養学を活用して手作りを心掛けます。 |