 堀越ゆりえさん
東京在住。美容系の専門学校卒後、人を美しくする仕事に就きたいと大手エステサロン入社。12年勤務、新店舗の出店、新人教育の担当を経て30代前半で独立。仕事柄、東洋医学や解剖生理学、アロマ、メディカルハーブ、栄養学、食事療法など様々な学びを続ける中で薬膳と出会う。現在は自宅でエステティックサロンを開き、お客様に合わせたアロマトリートメント、お食事指導など、ホリスティックケアを目指している。コロナ禍前は月1回の薬膳講座を開催(現在は休止)。薬膳、気功、漢方の勉強を継続中。サロン代表、国際薬膳師、登録販売者 
①薬膳を習うようになったきっかけはありますか。
たまたま家の近所に薬膳料理教室があることを知り通い始めたことがきっかけです。薬膳を学び始めたらその奥深さに驚き一からきちんと学ぶ為に教室とは別に通信教育もはじめました。仕事柄、色々な食事療法を学んできたのですが、薬膳のゆらいだバランスを回復させるという考え方が私には一番しっくりきた感じです。
②ご自宅のエステティックサロンでは、どの様なアドバイスをされていますか。
サロンにお越しになるお客様の背景は様々ですが、お仕事をされながら子育てや介護をされていらっしゃる方、毎日残業でクタクタな方、医療従事者の方などハードワーカーな方が多いので体調管理の為にまずは簡単な養生食的なアドバイスをさせていただいております。人はそれぞれに自分のベストバランスみたいなものがあるように思うのです。例えば、性別、年齢、身長が同じでも、その人が生活していて一番調子が良いと感じる体重は違ったりします。 日常生活を送る中で自分のベストバランスは日々微妙に変化(ゆらぎ)し許容範囲をオーバーすると、はっきり自覚できる症状として現れるのように感じます。このゆらぎを日々の食事で調整できるところが薬膳の素晴らしいところだと思います。また、ご家族の体調管理についての質問も多いので、できるだけ沢山の情報をいただきながら、その時々状態に合わせ良いとされている食材をお伝えし、一緒にレシピを考えたりしております。
⓷ホリスティックケアを目指されていますが、薬膳学はいかされていますか。
はい。とてもいかされております。私のサロンでは、お客様にお話をうかがいながら内面(食事など)・外面(お化粧品や生活環境など)・精神面の3つの面からバランスを見ていきます。お客様と接していて感じるのは、同じものを食べ続けてしまったり、偏食傾向が長期間になるとバランスの崩れが大きくなるように思います。また、精神的にキツイ、辛いと感じる出来事が続いている時などもバランスを崩される方が多いように感じるのですが、薬膳学は体質、体調、感情などの繋がりがわかるのでとても役立っております。バランスを崩してしまうきっかけは人それぞれに違うのですが、繋がりがわかると解決策も見つけやすいように思います。私もできるだけお客様の気持ちに寄り添いながらも自分のバランスを崩さないよう中庸を心掛けています。
④食薬同源、おすすめの身近な食薬を教えてください。
おすすめの身近な食薬は海藻です。体質によっては摂取を控えなければいけない場合もありますが、生活習慣病予防や浮腫みを改善、デトックス促進などの働きがあるとされているので日々の食事に取り入れるようにしています。海藻の中でもワカメを、玉葱のスライス・柚子の皮で和え物にしたり、他の海藻、ひじきやもずくなどを加えてサラダにして食べています。
⑤お休みの日はどのように過ごされていますか?今後はどんな未来図をお持ちですか?
自然の中に身を置くこと、特に山や森が好きです。自分自身が自然の力で調律されている気分になります。古典芸能も好きなので、時間に余裕のある時は観劇に出掛けることもあります。一瞬で別世界に誘われるので、とても気分転換になります。皆さんが薬だけに頼るのではなく、その前に食事や運動などで自分自身の心身のバランス調整を行えるようになると良いなと思います。少しでもそのお手伝いができるよう、現在学んでいることも含め今まで学んできたことを何か一つのカタチにできたらと思っております。そして近い将来には自然の豊かな場所で、カタチにしたものをお伝えして行けたら良いなと思っております。 |