Vol.016 大久保玲奈さん
プロフィール:広島県出身、広島市在住。自宅にて薬膳料理教室「養生めしと菓 Anjin(あんじん)」を主宰。20代はフランス料理店で調理を学び、その後はカフェ業態でメニュー開発や人材育成に携わる。現在は、企業向けのメニュー開発にも取り組んでいる。子育てをしながら、週末は古民家で畑を耕し、自然の中で過ごす日々。国際薬膳師、調理師


私の薬膳自慢は、薬膳を日常に取り入れるようになってから、「私らしく生きる養生暮らし」へと変化してきました。
約20年間、飲食業に携わり、毎日朝から晩まで忙しく働く日々。旬の食材に触れることはあっても、暮らしの中で四季の移ろいを感じる余裕はありませんでした。結婚を機に少しずつ時間にゆとりができた頃、父が病で急逝。苦しむ姿を目の当たりにし、どれだけ真面目に生きていても、健康を失えば日々の穏やかさも失われてしまうのだと痛感しました。
それをきっかけに「健康とは何か」を考えるようになり、私の得意とする“料理”で、大切な人や自分自身の毎日を健やかに支えたいと強く思うように。中医学を学び、薬膳を暮らしに取り入れるようになりました。現在は、自宅で季節の薬膳料理教室「養生めしと菓 Anjin」を主宰し、薬膳の知恵を料理を通して楽しく伝えています。また、山の中の古民家で家族と週末を過ごし、一から畑をつくって野菜やハーブを育てながら、自然のリズムに寄り添う暮らしを実践中。いずれはその場所に移住し、薬膳カフェを開くことを目指しています。
フレンチで培った「五感で楽しむ表現」や、現場での「伝える力」は、現在の薬膳料理にも活かされています。薬膳の知恵を日々の食事に取り入れながら、美味しくて体にやさしい料理をお届けしています。薬膳は、料理だけでなく、私の生き方そのものを豊かにしてくれました。この想いを、これからも多くの人に伝えていきたいと思っています。
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