Vol.012 北林洋子さん
プロフィール:岐阜市出身、名古屋市在住。本草薬膳学院 名古屋教室 中医薬膳師コースおよび研究科コースの担当講師。病院勤務時代に栄養指導を行う中で、「栄養素の調整だけで本当に良いの?」と西洋医学中心の栄養学に疑問を抱き、その答えを探し続ける中で中医学と出会う。「病気を治すのではなく、人を治す」という中医学の理念に衝撃を受け、気づけば20年が経過。中医学は奥が深く、学べば学ぶほど難しいが、生徒さんが「なるほど!」と目を輝かせる瞬間に喜びを感じ、自身も学び続けている。国際中医師・国際薬膳師・管理栄養士・調理師


「忙しくて毎日クタクタ。家事をする余裕がない…だからこそ、健康な食事をとりたい。」これは平日会社勤務・週末の何日かを学院の講師業に費やしている私の最大の悩みでした。そんなジレンマの末にたどり着いた方法が、「週末に仕込む大量ストックスープ」という私なりの仕組みです。よく、「薬膳の講師なら、きっと毎日の食事は立派な薬膳料理をつくっているのですよね?」と聞かれることがありますが・・・、実は、毎週末に4.5Lの大型保温調理鍋を使って、時短調理しつつ、一度にたっぷりのスープを作り、主人と二人で4~5日食べ続けています。
私にとっては、季節や体調に合わせて食材を選ぶことこそが、薬膳を実践する上で大切なポイントです。
春:補気養血・肝や脾を補うもの(写真①)
冬:補血温陽・腎を補うのもの
また、食材調達は時間が許せば、愛西市や南濃町という濃尾平野の肥沃な土地で育った新鮮でおいしい旬の野菜を買いに出かけます。車で1時間ほどかかりますが気分転換を兼ねて楽しみの一つになっています。(写真②③)
「同じスープを1週間食べ続けるの?」と驚かれることもありますが、意外と飽きません。時にはスープにごはんを加えて雑炊にするなどアレンジもします。朝食や夕食に料理する時間も体力も余裕がない時は、このスープに軽く主食と主菜を付け足すだけ。会社へは、温めてスープジャーに入れて持っていきます。これにおにぎりやパン・果物を添えれば、立派なランチです。昼食にも温かいスープが食べられるのは、気持ちもホッとできます。(写真④)
薬膳を学び、改めて感じるのは、健康を支える食事は「無理なく続けられること」が大切だということ。完璧を目指そうとすると続かない・・・。だからこそ、私は週末のひと手間で1週間ラクに健康的な食事をとれる自分なりの仕組みをつくりました。あわただしい毎日だからこそ、健康を維持するために、これからも、仕事と薬膳の両立を楽しみつつ、季節や体調に合わせたスープ作りを続けていきたいと思います。

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