Vol.006 佐藤恭子さん、清水紀子さん、羽鳥三枝子さん
日本国際薬膳師会の20年の歴史の中で、海外のコンテストなどで受賞し活躍している方がいます。私たちの会の自慢の一つだと思います。今回は、その方々にスポットを当てて、仲間をご紹介したいと思います。


2013年第9回国際美食養生コンテストがマレーシアで開催が決まったことで、本草薬膳学院・国際薬膳師会主催「マレーシア第9回国際美食養生コンテストの旅」が企画され、この料理コンテストに参加しました。会場はマレーシアのクルアン市、滞在ホテルから離れた「金華崙酒楼」というレストランです。1チーム3名(佐藤恭子さん、清水紀子さん、羽鳥三枝子さん)が団体部門で参加し、指定された8品の料理作り(審査員用と展示用16食作成)。制限時間は90分で、日本料理の「気虚血瘀証」改善の薬膳メニューで挑戦です。参加国は中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシアなど、アジア圏。ところが、少数量対応の器具がない、火口は中華料理対応の厨房、現地調達の魚や肉は規格が揃わないなど、思いもつかないハプニング続きだったとのこと。 素晴らしい各国の中国料理や韓国料理が出展される中、日本料理の良さと弁証に基づく証と立法が評価され、みごと南洋杯(金賞)を受賞いたしました。この受賞は3名の方々の大きな自信になったことと思います。現在もそれぞれ薬膳活動をされており、清水さんは広報部長として会報誌「くこ」の編集発行に尽力しています。 (注:佐藤恭子さんはご事情により現在は退会しております。)

金賞の出展内容をご紹介いたします。

症  例:

弁  証:






証   :

立  法:

方  剤:

薬膳処方:

禁  忌:

薬  膳:
しびれ、力が入らない、顔色が黄色っぽい、舌淡紫または瘀斑、脈細渋

何らかの原因(大病、久病、老化、過労など)で気の機能が失調し気虚が生じ長期化したことにより気の推動作用が弱くなり、血流を率いる作用も低下。結果、血の流れが滞り瘀血が形成された。瘀血の形成によりさらに血の流れがわるくなり、四肢筋肉を営養できない、血が流れないため脈絡も痹阻し四肢が機能しなくなり、しびれ、力が入らないの症状が現れた。顔色が黄色っぽい、舌淡紫、瘀斑は瘀血の症、脈細渋は瘀血の脈である。

気虚血瘀証

補気活血、通経活絡

補陽還五湯(当帰・川芎・黄耆・桃仁・地竜・赤芍・紅花)

補気類・活血化瘀類・理気類・通経活絡

甘味、激辛

(温菜)主食:黒豆ごはん   
(温菜)主菜:山芋牛肉ロール黄耆三七あんかけ   
(温菜)副菜:陳皮味噌田楽   
(温菜)汁 :紅花鶏団子の川芎吸い物   
(冷菜)主菜:鯵の紅花三七入りワイン煮   
(冷菜)副菜:チンゲン菜の薤白和え   
(粉物)デザート:棗飴入りうさぎのかるかん   
(粉物)デザート:三色白玉の赤芍ポンチ竜眼肉添