お店の自慢でも、薬膳料理の自慢でも、健康のための私の薬膳などなど.... 自慢できる薬膳との関わりをこの「会員にスポット」でご披露ください。自薦、他薦を問いません。形式も自由です。皆様の投稿をお待ちしています。 |
Vol.011 酒井雅晴さん
1970年生まれ、愛知県出身・在住。本草薬膳学院名古屋教室3期生。国際薬膳師、国際薬膳調理師。現在、本草薬膳学院研究科に在籍し国際中医師を目指す。
普段は企業で研究開発に従事する傍ら、バイオミメティクスによるものづくりやJAXAの教育プログラム「宇宙の学校®」で小学生向け教育活動を行っている。博士(工学)


タイトルに「自慢」とありますが、趣味の範囲の自己満足;「自満」の薬膳カリーを紹介します。スパイスカリーを作り始めたのは、大学在学中に鍋いっぱいにチキンカリーを作って研究室の皆にふるまったのがきっかけでした。骨付きチキンや有機野菜、スパイス、水にもこだわってじっくり煮込んだ力作で、皆美味しそうに食べてくれたのが本当に嬉しかったのを覚えています。
本草薬膳学院名古屋教室で薬膳学を学び、スパイスカリーも目的に応じて素材の組合せを考えれば立派な薬膳になるのだと納得しました。一口にスパイスと言っても、コリアンダー(香菜)、クミン(馬芹)、ターメリック(姜黄)、グリーンカルダモン(小豆蔲)、レッドペッパー(赤唐辛子)など、食薬学では辛温解表、温裏、活血化瘀、芳香化湿など様々に分類される。しかもスパイスと並列に肉や野菜、穀物にもそれぞれ性味や効能がある。産地や採取時期によって効果が違う。自然の恵みを組合せ、医食同源を体現する一皿を作る奥深さに魅了された私は、季節の養生カリーを考え、同じ教室で学んだカフェオーナーと協力して期間限定で弁当として販売しました。お弁当なのでお客さんに直接の感想は聞けないのですが、「美味しそう」と手に取っていただけるのを見るだけで感謝感激です。
私は普段、企業でカーエアコンの研究開発をしています。季節に応じて乗員に快適な温度・湿度環境を提供するのが仕事です。地球温暖化が進む中で持続可能な開発が課題となっています。便利さの陰で自然環境にしわ寄せが来る。このような生活を改めるにはどうすれば良いのか?そんなモヤモヤ感の中、黄帝内経の「天人合一」の考えに強く共感しました。仕事柄、大学や小学校で生き物や自然に学ぶものづくりについて講義をしています。「松の実」が繁殖のため空を飛ぶのをご存じですか?カリーという身近な料理を通じて、薬膳の奥深さや自然のメカニズムまで感じてもらえたらと思います。
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