Vol.023 倉島美奈子さん
長年シンガポールとインドネシアに在住、高額な医療費全額自己負担。そんな時、友人が用意した薬膳や中薬で医者にいかなくても治る事を経験。東南アジア中華系の人々が当たり前のように中医学の知識がある事に衝撃を受ける。帰国後、義兄の癌自宅終末ケアをする姉の壮絶な現実を目の当たりにし、健康の大切さを実感。本草薬膳学院で学び始める。国際薬膳師、国際調理師。国際中医師目指して勉強会中。現在、都内で法人向けスマホおよびITソリューションの営業として勤務。

明治維新以降の日本では、中医学の伝統が十分に重視されることはなく、現在に至っています。一方、中国・韓国・台湾では中薬(漢方薬)の市場が存在し、家庭の医学として脈々と受け継がれています。私はこれらの国々(韓国、中国・蘇州、台湾・台北)を訪れ、現地で体験した薬膳事情をご紹介いたします。
【2025年6月 韓国・ソウル】
ソウル市内には「薬令市」と言う場所があり、あらゆる薬や中薬、韓薬の問屋が並んでいます。中央のメディカルセンターでは、中医学の歴史展示やさまざまな体験が可能です。私は足湯や手、全身のマッサージを体験しました。
手のマッサージでは、たっぷりのクリームを塗りビニール手袋をはめた後、マッサージ器に手を入れると自動で揉みほぐしてくれます。その後、ベッドに仰向けになると、機械が背中を小刻みに棒のようなものでたたく施術が行われました。最初は少し痛みを感じましたが、終わると体がとても軽くなります。
資料館には明の時代の展示が多く、朝鮮の医師が明に留学していた歴史が影響しているのかもしれません。
【2025年10月 中国・蘇州】
上海から新幹線で約30分。揚子江の河口近く、昔から栄える街です。上海ガニの養殖も近郊の湖で盛んに行われています。商店街には日常的に中薬店が並び、ネット販売やQRコード決済が日本よりも普及している様子でした。友人は中薬をすべてネットで手配しており、品質や種類も豊富です。都市部の物価は日本と同程度ですが、中薬の価格は日本よりかなり手頃でした。
大型スーパー(コストコのようなタイプ)にも中薬コーナーがあり、中薬が野菜のように量り売りされています。中薬が生活の一部として溶け込んでいることを実感しました。
【2026年1月 台湾・台北市】
台北にも漢方問屋街があり、その規模は東京・上野のアメ横に例えられるほどです。数多くの中薬店が軒を連ね、種類・量ともに圧巻です。多くの地元の方が買い求めており、中薬が日常に根付いている様子がうかがえました。
日本でも、より手軽に良質な中薬が手に入り、薬膳が日常生活に取り入れられるようになることを願っています。そのための一助となる活動を、今後も模索していきたいと考えています。
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