2026.01
もってのほか(菊花) 山形県
分類    :辛涼解表類
性味/帰経  :微寒、辛、甘、微苦/肝、肺
働き    :疏風清熱、清肝明目、清熱解毒
紹介者   : 小田真希子


食卓に登場するキクには大きく分けて、刺身のつまにする「つまぎく」と、おひたしなどに調理して食べる「食用ぎく」(食用菊)があります。
山形県は食用菊の生産が盛んな県です。菊の花びらを食べる習慣は、江戸時代以降に普及したとされていて、現在でもおひたしなど、食用ぎくを食べる文化がしっかりと残っています。特に香り高く、美味とされ「食用ぎくの横綱」と評されるのが、紫色をした「もってのほか」という品種です。正式名称は「延命楽」ですが、この名は、「天皇家の御紋を食べるとはもってのほか」とか、「もってのほかおいしい」といったことから転化したと言われています。菊の旬は秋から冬のはじめにかけて、9月9日の重陽の節句(菊の節句)の時には「寿」の黄色い菊が出回ります。現在は品種改良が進みさまざまな品種が、1年中出荷されるようになっています。 >


2025.01
寒だら汁/どんがら汁(鱈)  山形県
分   類:補気類
性味/帰経:平・鹹/肝 腎 脾
働   き:補益気血、活血化瘀止血
紹 介 者:小田真希子


山形県庄内冬の風物詩といえば「寒だら汁」です。あらを指す言葉や、胴とガラを全部入れるからだとかで「どんがら汁」とも言われています。1年で最も寒い時期に旬を迎える真鱈を山形では「寒だら(寒鱈)」と呼びます。もともとは漁師が浜で食べていた漁師料理といわれていて、1月中旬から2月にかけて家庭料理として食べられます。寒ダラは捨てるところがない魚といわれており、身を骨ごとぶつ切りにして、内臓もすべて鍋に入れて煮こみます。味の決め手は肝や白子の部分で、最も脂ののった「あぶらわた(肝)」を味噌ベースのスープに溶いたり、一口大に切って煮こんだりしてコクのある味わいに仕上げます。同じ時期が旬の岩海苔を入れると磯の風味がより一層増します。仕上げに岩海苔をふんわり盛るのが定番です。
山形出身の友人より教えてもらったレシピをご紹介しましょう。東京のスーパーで買える材料で簡単に作る寒だら汁です。

【材料】
鱈の切り身・・・・・・・・・200g    
アラ・・・・・・・・・・・・100g
白子・・・・・・・・・・・・50g
豆腐・・・・・・・・・・・・1/2個
長ねぎ・・・・・・・・・・・70g
大根・・・・・・・・・・・・150g
水・・・・・・・・・・・・・1200ml 
酒・・・・・・・・・・・・・150ml
味噌・・・・・・・・・・・・100g
岩海苔・・・・・・・・・・・適量


【作り方】
①アラと鱈の身は熱湯をかけて、水にとり、血合いと鱗の汚れを取る。
②白子は水洗いし血とぬめりを取る。熱湯をかけて水に取り筋を切り一口大に切る。
③豆腐を2cm角に切る。
④長ねぎを1cm幅の斜め薄切りに。
⑤大根を1cm幅の銀杏切りに。
⑥鍋に水を入れ(鱈が隠れる位)沸騰したら、①のアラ、大根を入れ中火でひと煮立ちさせ、
 浮いてきた灰汁はすくい取り、5分煮る。
⑦火が通ったら、日本酒、鱈の身、豆腐、長ねぎを入れグツグツ煮る。
⑧切り身にも火が通ったら、白子を入れて、軽く火を通す。味噌を溶き入れ、火を止める
⑨器に盛り、食べる直前に岩海苔を散らす。



2023.05
ウコギ(五加皮)  山形県
分   類:祛風湿類
性味/帰経:温・辛・苦/肝、腎
働   き:祛風湿、補肝腎、強筋骨、利水
紹 介 者:氣賀澤 公乃


ウコギは平安時代に中国から渡来したと言われ、中薬の「五加皮」としてその根皮を用います。江戸時代に米沢藩主が、木にトゲがあることから防犯に、また葉は飢饉の食用として栽培を奨励したことから、今も山形県米沢市中心に生け垣などにもの残り、また栽培もされています。殊に4,5月の新芽は茹でて、細かく刻んで炊きたてのご飯に混ぜたウコギご飯、味噌和えやお浸しなど、ほのかな香りと苦みが山菜として好まれています。天ぷらも美味。汁物の青味としても重宝します。乾燥した葉はウコギ茶に、また菓子や麺に混ぜるなどなど用途は多様です。ウコギは健康食品として今その効能が注目されています。繁殖力が強く次々と新芽が出て秋まで収穫でき、挿し木で簡単に増やせます。米沢の友人から分けてもらった苗は、関東でも元気に育っています。


2020.11
スベリヒユ(馬歯莧:ばしけん) 山形県西村山郡 他
分   類:清熱類
性味/帰経:寒・酸 / 大腸・肝
働   き:清熱解毒、涼血止血、止痢、収斂利湿
食材紹介者:奈良 理香子


庭や道端に雑草として生えていますが、私の母の故郷では「ひょう」と呼び、干して山菜のように食べていたそうです。東北地方や沖縄県では野菜として親しまれていますが、ヨーロッパでは「パースレイン」と呼ばれるハーブとして生や炒めて食べられています。少しの酸味とぬめりもありますが、サラダやナムル、スープ、水餃子の具材などで美味しく食べられます。茎は赤紫色なので彩りもきれいです。根を除いて水洗いし、日干し乾燥したものは、生薬の馬歯莧(ばしけん)です。最近、家族が腹痛の原因が潰瘍性大腸炎と診断されました。重症ではありませんが、スベリヒユの働きに期待していろいろな料理に活用しています。知人の畑で除草作業の折に頂戴したものを食べていますが、園芸店で人気の花「ポーチュラカ」(ハナスベリヒユ)も食用になるそうです。健康効果で注目されているオメガ3脂肪酸を多く含む植物ですので、お庭や畑で見つけられたら召し上がってみてください。
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