2024.08
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天然塩(沖縄)
分 類:外用類・その他
性味/帰経:寒・鹹/胃・腎・大腸・小腸
働 き:清熱涼血・解毒湧吐
紹 介 者:小林紀美子
私は沖縄本島や諸島に行くと、必ず天然塩を購入します。沖縄では、およそ30か所の製塩所で150種類にもおよぶ塩を作っています。天然塩とは自然塩・天日塩とも呼ばれ、海水から採取される海水塩をいいます。沖縄の天然塩は、塩味とともに味の深みが美味しいと重宝されています。きれいな海水からできる濃縮塩水には60種類以上の天然ミネラルを含まれ、健康維持に欠かせないマグネシウム、カルシウム、カリウムが豊富に含まれています。不純物や添加物もないために安心安全です。ミネラル含有種類が世界一の塩とギネスブックに認定されたものもあります。
沖縄の海のエメラルドグリーンに澄む美しさには、誰もが癒されることでしょう。この美しさは、沖縄独特のサンゴ礁による効果です。サンゴは、海中で光合成を行い酸素を作り、その酸素の放出量はなんと、陸上の樹木を上回ります(ブルーカーボンといいます)。ミネラルを水中へ放出し、石灰質が骨格となる琉球石灰岩を作ります。島の地層は琉球石灰岩からで出来ており、地下海水の天然のろ過装置となって不純物を取り除きます。琉球石灰岩に含まれるカルシウムなどの成分が染み出して地下海水に含まれます。沖縄の天然塩は、100%の地下海水よりできる濃縮塩水を原料としているので、ミネラル分をたっぷり含んだ極上な塩となるのでしょう。
サンゴ礁は、人間の生活や自然にとって欠かせない存在です。貴重な天然塩の素を作ってくれたり、ブルーカーボン効果を果たしています。全海洋の0.2%しかないサンゴ礁には、50万種におよぶ海洋生物の1/4~1/3が生息し、海洋生態系の維持にも重要な役割も担っています。近年、温暖化によるサンゴの白化現象が世界的に起こっており、サンゴ礁が減少しはじめています。沖縄独特の美しい海とサンゴ礁が永続することを願っています。 |
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