2019.06
ひともじ(葱白) 熊本
分   類:辛温解表類
性味/帰経:温・辛/肺・胃
働   き:発汗解表・散寒痛陽
食材紹介者:市川兼二朗


熊本の郷土料理で人気が高いのが馬刺し、からし蓮根ですが、もう一つ人気が高いのが「ひともじのぐるぐる」です。『ひともじ』とは、普通は分葱(わけぎ)、ノビルとか呼ばれているが、熊本のものは、少し太めで白根のふくらみも大きな独特なもの。生えている形が『人』の文字に似ているから『人文字(ひともじ)』だといわれているらしい。この『ひともじ』を軽く茹でて冷やした後、白根の少し上を折り、白根を軸に『ぐるぐる』とまきつけることから、独特の名前がついた。江戸時代に生まれたという熊本の郷土料理です。甘くてすっぱくて少しピリッとした酢味噌をかけて食べるのが定番。この酢味噌が『ひともじ』の旨味を爽やかにひきたてるのです。一口でパクリといただく。ザクッという心地よい歯応えの後に、『ひともじ』が持つ独特の香り、甘味、辛味が口の中いっぱいに広がるのです。
   このコラムのトップへ
Copyright © 2016 JFMCM All Right Reserved.