2024.07
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ラワンぶき 北海道
分 類:民間食用になる山菜・野草・薬草一覧から
性味/帰経:寒、苦、微甘
働 き:止咳袪痰、解毒消炎、健胃消食
紹 介 者:大須賀道子
春から初夏の味覚、蕗は複数の品種があり、西日本では愛知早生、東日本ではあきたぶきというのが主だそうです。北海道で過ごした子供時代、家族で山登りに出かけたときに目にした、背の高い蕗が記憶にあります。煮物などで食べた味も思い出します。そして日本で一番背の高い蕗「ラワンぶき」を今回ご紹介します。
北海道の足寄町の螺湾地区(ラワン)の螺湾川上流にのみ自生・栽培されているあきたぶき(オオブキ)の一種だそうです。螺湾川の上流、雌阿寒岳ふもとから流出する河川水は、平均的な河川水より植物に必要なミネラルを10倍ほど多く含んでおり、そのため、巨大化が引き起こされていると考えられています。丈が2~3m、茎の直径は10㎝にも達する大きい蕗ですが、アクが少なく繊維が柔らかいのが特徴です。収穫できるのは6~7月上旬。
生のラワンぶきは皮をむき一口サイズに切って塩を振ってアク抜きしたら、炒めものや天ぷらに、また軽く下茹でしたらドレッシングであわせてシャキシャキ食感のサラダもお勧めです。肉詰めや油揚げやさつまあげなどと煮ものにしたり、汁物やおでんに入れても美味しいです。水煮は北海道のアンテナショップなどでも入手できます。採りたての蕗は香りが格別に良いですね。
年齢を重ねるほど蕗の独特な香りや食感がとても好きになっています。生のラワンぶきはなかなか入手しにくいかもしれませんが、この時期の味覚の蕗、入手できましたら是非召し上がってみてください。
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2024.01
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札幌大球(さっぽろたいきゅう) 北海道
分 類:甘藍(キャベツ)
性味/帰経:平、甘/胃、腎
働 き:補中益気
紹 介 者:小田真希子
北海道には、『札幌大球/さっぽろたいきゅう』という巨大キャベツがあります。明治初期に導入された外来のキャベツが土着順化していったとされます。収穫時期は10月下旬〜11月初旬のわずか2週間。大きさは直径40~50cm、重さ8kg~20kg(普通のキャベツは1.2㎏くらい)と大きく、見た目に反して大味ではなく、甘みが強いのが特徴です。葉厚は1枚1枚が肉厚で柔らかなみずみずしい口当たり、繊維質もしっかりしていることから保存食として明治初期から栽培されてきましたが、高原野菜のキャベツは高温多湿に弱く、道外には出回る事は少ないそうです。現在は札幌大球の大きすぎるそのサイズと、加工に使いづらいなどの理由から、札幌大球の作付け面積は大きく減っているそうです。世界で北海道だけという英名cabbage Sapporo-Taikyuu。希少性の伝統野菜を残していきたいですね。 |
2023.12
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羊肉(ひつじにく) 北海道
分 類:助陽類
性味/帰経:大熱(温)甘/腎、脾、肝、胃
働 き:温陽暖下、益気補虚、通乳治帯
紹 介 者:清水 紀子
羊肉は、北海道郷土料理のジンギスカンで食べます。ジンギスカンの歴史は、明治時代に始まりました(諸説あり)。もともとは軍服用に羊毛をとるため羊を飼育しており、羊は緬羊と呼ばれていました。その役目を終えた緬羊の肉を食用として食べるよう奨励したのがジンギスカンの始まりです。しかし、緬羊は独特の臭い、味があり、肉質も固くあまり好まれなかったようです。 羊の飼育日本一を誇っていた北海道ですが、今はニュージーランド、オーストラリアからの輸入が主力となっています。羊肉は飼育月数により、ラム、ホゲット、マトンと分類され、今日のジンギスカンはラム肉が主流です。食べ方は、ジンギスカン鍋(鉄製~鉄兜状)で羊肉と玉ねぎ、人参、かぼちゃ、もやしなどの野菜を焼いてたれにつけて食べます。30年ほど前までの北海道の夏は朝夕は涼しく、暑さは2週間ほどでした。この短い夏にジンギスカンがよく食べられたのは、薬膳の理に適っていました。「春夏養陽」!北の大地の厳しい寒さに打ち勝つために、夏の暑さの中でも「養陽」していたのです。大熱の効能があり、冷えからの食欲不振、腰膝疼痛、慢性下痢、母乳分泌不足や寒い冬に食するのがお勧めになります。
1.ジンギスカン:ホットプレート、フライパンで焼いても。タレがポイント。必ず玉ねぎ、りんごのすりおろしを加える。にんにくは控えめに。
2.焼肉:ホットプレート、フライパンで焼く。しょう油麹をたれ代わりにつけて。 |
2023.07
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牛乳 北海道
分 類:滋陰類
性味/帰経:平、甘/心、肺、胃
働 き:生津潤膚、補肺益胃
紹 介 者:小田真希子
北海道といえば広大な自然、温泉、美味しい食べ物、観光名所がたくさんあり、遊び尽くせませんし、食材も選びきれませんが、今回は牛乳をおすすめいたします。美味しさの訳は大自然の中で、質の良い牧草を食べて育てられているからです。牛乳とは、その字の通り牛から搾った乳です。牛から搾ったままの未殺菌のミルクは「生乳(せいにゅう)」加熱殺菌、包装されてはじめて「牛乳」として位置づけられます。牛乳を使用した料理や加工品は数ありますが、おすすめは、北海道ソフトクリームです。札幌を中心に酪農が盛んな街にはソフトクリームを扱うお店がたくさんあります。新鮮な牛乳を使用するので、シンプルなバニラ味は濃厚で、名産・特産・季節の食材を合わせたソフトクリームもまた絶品です。ただし夏でも身体を冷やさないことは大切、食べ過ぎにはご注意! |
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