近年、手軽さもあって年齢に関係なく、朝のパン食が増えています。しかしパンと牛乳、サラダに果物というメニューは、寒い冬には、体に余計な負担をかけるのでは?と思っていました。涼性の小麦パンに温性のものを加え、脾胃の働きを助けることも考えて、朝から元気に活動できるレシピを考えました。


「脾」の機能を高める薬膳

考案:北里多恵子
使用した文献:食薬学(教科書) 早わかり薬膳素材
アドバイス:日本国際薬膳師会認定部(写真、レシピ等の転用禁止)

素材名:小麦粉、栗、胡桃、蓮実、桂皮


補益脾胃
(2人分)
強力粉・・・・・・・・・・
ドライイースト・・・・・・
シナモンパウダー・・・・・
乾姜パウダー・・・・・・・
塩・・・・・・・・・・・・
水・・・・・・・・・・・・
蜂蜜・・・・・・・・・・・
太白胡麻油・・・・・・・・
フィリング
むき甘栗・・・・・・・・・
ロースト胡桃・・・・・・・
茹でた蓮の実・・・・・・・
干し葡萄・・・・・・・・・
オレンジドライピール・・・

200g
5g
3g
2g
3g
100g
30g
20g

50g
30g
30g
30g
20g

1. 生地をこねる。
①強力粉、ドライイースト、シナモンパウダー、乾姜パウダー、塩をひと混ぜする。
②水に蜂蜜を加えよく混ぜ①に加え、粘り気が無くなるまで混ぜる。
③太白胡麻油を加え、コシが出るまでこねる。
2. 生地にフィリングを混ぜ込む。(甘栗、胡桃、蓮の実は刻んでおく)
3. ひとつに丸め、乾かないようにして、常温で1時間休ませる。
4. 空気を抜くように丸め直して、20分休ませる。
5. 楕円形になるように綿棒をかけてから巻いて、とじ目を下にして、天板に並べる。オーブンの発酵に入れ、30分おく。
6. オーブンを180度に予熱する。パンの表面に小麦粉を振り、切り目を縦に1本入れて、30分焼く

小麦粉(強力粉)・・・・

肉 桂・・・・・・・・・

乾 姜・・・・・・・・・

胡 桃・・・・・・・・・

蜂 蜜・・・・・・・・・

栗・・・・・・・・・・・

葡 萄・・・・・・・・・

蓮の実・・・・・・・・・

橙子(オレンジピール)・

太白胡麻油・・・・・・・
清熱類 涼・甘/心・脾・腎
    清熱徐煩 補益脾胃
温裏類 大熱・辛・甘/腎・脾・心・肝
    補火助陽 温経通脈
温裏類 熱・辛/ 脾・胃・腎・心・肺
    温中散寒 開陽通脈
助陽類 温・甘/腎・肺・大腸
    補腎温肺 潤腸通便
補気類 平・甘/脾・肺・大腸
    補中緩急 潤肺止咳 滑腸通便補気類 温・甘/脾・胃・腎
    養胃健脾 補腎強骨 活血止血
養血類 平・甘・酸/脾・肺・腎
    補気血 強筋骨 利尿
収渋類 平・甘・渋/脾・腎・心
    補脾止瀉 益腎固精
理気類 涼・甘・酸/胃・肺
    理気開胃 潤肺止咳
滋陰類 寒・甘/ 肺・脾・大腸
    清熱滑腸 行気通脈

主食材の小麦は、秋に種を播き、夏に収穫するために、四季の燥寒温暑の気を浴びて、五穀の中でも貴重な穀類で、補益脾胃の働きがあります。清熱類ですがパンは、発酵、高熱での焼成という調理工程と今回、胡桃・桂皮・乾姜を加え、涼性の性質を緩和できると考えています。蓮の実は収渋類ですが脾気を補う働きもあり、栗と葡萄で気血を養い、オレンジドライピールの理気作用で体中へ送り届けます。効率よく日中の活動を準備するための薬膳になると思います。


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