暮らしの中の身近な食薬        No.018

蓮の実













ハスの実とは、スイレン科の多年草のハスの花托(かたく)から採れる種子のことです。秋になると花托が肥大し、蜂の巣のような形になります。ハスの実は、緑色でどんぐりのような形をしており、甘みと苦みがあり、生のトウモロコシに似た食感があります。ハスの実である種子は千年以上も発芽力が消失しない程、強い生命力を持っているといわれています。
ハスの実がつく花托が蜂の巣とよく似ていることから「蜂巣(はちす)」と呼ばれていましたが、その後、蜂巣が略されてハスと呼ばれるようになりました。漢字の「蓮(ハス)」は漢名からきたもので、ハスの実が連なって実ることからこの漢字が使われるようになったといわれています。

効能効果
収渋類に分類されます。蓮の種は五臓の補充に優れており、12の子午線の気と血に役立ち、気と血が滑らかで腐敗しないようにします。腎虚遺精、滑精、不正出血、脾虚による慢性の下痢、食欲不振、動悸、不眠に効果があります。蓮の種にはタンパク質や脂肪などの栄養素がたくさん含まれています。

ⅠT部おすすめ 『補脾のお粥』
山薬、蓮の実、芡實の生薬と鶏肉を入れたお粥です。疲れや食欲不振で元気がないときにおすすめです。脾を補い臓腑の働きを高めます。コロナ禍でいろいろ不安や心配ごとがありますが、蓮の実は心を養い、精神を安定させることが期待できますので、是非作ってみてください。

材 料(2人分)
粳米60g、鶏肉60g、山薬40g、蓮子(蓮の実)20g、
芡實(オニバスの実)5g(手に入らない場合はなくてもよい)
調味料:塩小匙1/2、胡椒少々

<作り方>
①粳米は洗ってザルにあげて水をきる。
②水4カップを沸騰させ、粳米、蓮の実、オニバスの実を入れ弱火にして約40~50分煮る。
③鶏肉、山薬は適当な大きさに切り加え、約10~15分煮る。
④塩、胡椒で味を調える。 水の量は適宜加減する。

効 能:補脾養心
粳米・・・・補気類 平、甘/脾、胃       補中益気、健脾和胃
鶏肉・・・・補気類 平、甘/脾、腎       補中益気、補精添髄
山薬・・・・補気類 平、甘/脾、肺、腎     補脾養胃、生津益肺、補腎渋精
蓮子・・・・収渋類 平、甘、渋/脾、腎、心   補脾止瀉、益腎固精 養心安神
芡實・・・・収渋類 平、甘、渋/脾、腎     益腎固精、補脾利湿

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