No.058
市川兼二朗さん
プロフィール:九州出身。東京都葛飾区在住。会社勤めをしながら国際薬膳師、国際中医師を取得。現在、本草薬膳学院講師、アジアンハンドセラピー協会理事、日本国際薬膳師会副会長
①薬膳の教鞭をとられていますが、薬膳に関してどの様にお考えですか。また、生徒さんに習得のこつなど学びへのアドバイスはありますか。
1)薬膳とは料理を超えた生き方の方法だと考えています。人々の願いそれは長寿、病気予防、治療である。それを伝統的に伝えている食生活の方法を後世に残していくことが大切だと思う。
2)食物こそ薬であり、薬膳こそ病気をしないための食養生。これが二千年も前から貴重な食文化である。その食文化を理解するに重要な事は陰陽五行を理解し、食物が持つ効能・性味・帰経を把握することが習得のコツだと思う。
②いろいろと薬膳を作られてきた中で、(今の季節でなくても)最も効果効能の高いと思われた薬膳メニューはありますか?どのような症状に対してどのようなメニューですか?
勤めがハードで疲労困憊し倦怠感が強く寒気が強く、水の様な鼻水が多くて、眩暈、不眠を起こした時に作ったメニューが有ります。
竜眼肉入りすき焼き(2人分)
証 :気血両虚証
立法:辛温解表、補気養血
材料
牛肉・・・・・・・・・300g
長葱・・・・・・・・・2本
干し竜眼肉・・・・・・30g
椎茸・・・・・・・・・5~6個
料理酒・・・・・・・・100cc
醤油・・・・・・・・・50cc
黒砂糖・・・・・・・・大匙1
すりおろし生姜・・・・少々
作り方
1. 鍋を熱して牛脂をひく。
2. 牛肉を入れて軽く炒める。
3. ななめ切りにした葱と料理酒と竜眼肉と醤油を入れて葱が柔らかくなるまで煮込む。
4. 好みにあわせて生姜を入れる。
③国際薬膳師会の副会長としてご尽力されていますが、今後の会のあり方をどのようにお考えですか。ビジョンはおありですか。
今年、日本国際薬膳師会は設立20周年記念を迎えます。この20年間は広く世に薬膳とはどの様なものかを知らしめる普及活動であったと思います。その活動の成果かもしれないが薬膳という言葉がマスコミの中にも頻繁に登場するようになり、身体に良いものとして日本社会に受け入れられるようになってきたと思っています。今後の日本国際薬膳師会の進むべき方向は社会貢献だと思います。少子高齢化、人口減、地球温暖化、医療費値上げ等の様々な環境変化に対しても
中医理論に基づいた薬膳学である程度までセルフケアができる事を広く伝えていくことであると思います。また、国際薬膳師の資格を持った人達が何かしら社会貢献できるように会としてサポートしていきたいと思います。
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